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近未来の”森保ジャパン”入りが期待される国内組の”ネクスト川村”ベスト11

河治良幸スポーツジャーナリスト

森保一監督が率いる日本代表は9月から最終予選に臨みます。組み合わせ抽選で”ポット1”だった日本はオーストラリア、サウジアラビア、バーレーン、中国、インドネシアと同組になりますが、いきなりオマーン戦で敗れた前回の轍は踏まずに、勝利を重ねていくことが期待されます。

気になるのはフレッシュな選手たちが、最終予選の期間にメンバー入りしていけるかどうか。もちろんパリ五輪を経験したメンバーも有力候補になってきますが、パリ五輪世代に限らず、Jリーグにも、まだまだ代表入りの可能性を秘めるタレントは多くいます。

ここに来て6月の代表メンバーである川村拓夢がサンフレッチェ広島からオーストリアの名門ザルツブルクに完全移籍。最近の”森保ジャパン”招集メンバーでは毎熊晟矢がセレッソ大阪から、菅原由勢の移籍が決定的となっているオランダ1部のAZへ。そして鹿島アントラーズのMF佐野海舟もドイツ1部マインツへの移籍が秒読みと伝えられています。

そうなると”森保ジャパン”の現有戦力はGKを除くと、長友佑都(FC東京)だけになってしまいます。国際Aマッチデーに予選のスケジュールが詰まっているため、しばらく親善試合を組んでいけないので、テスト的な起用が難しい状況になりそうですが、チームの競争を活性化し、進化していくにはフレッシュな選手が重要になっていくはず。

もちろん”欧州組”から新たにA代表入りしてくる選手は今後も出てくると予想されますが、ここではJリーグに所属する”国内組”を対象にベスト11を、森保監督が6月シリーズで採用した3ー4ー2ー1で組んでみました。なお伊藤敦樹(浦和レッズ)や半田陸(ガンバ大阪)など”第二期・森保ジャパン”に招集された選手、中谷進之介(ガンバ大阪)や植田直通(鹿島アントラーズ)など、過去に複数回の代表経験がある選手は対象外としました。

GKは早川友基(鹿島アントラーズ)を選びました。試合を重ねるごとにプレーの安定感を幅を広げており、植田直通と関川郁万の屈強なセンターバックコンビと共に、ポポヴィッチ監督の掲げる縦に速いサッカーを支えています。

そうしたクラブのコンセプトを考えても、十分にフィットできそうです。ただ、6月の活動に招集された3人やパリ五輪世代の鈴木彩艶(シント=トロイデン)などライバルは多く、いつどこでチャンスをもらえるかというのは1つ高いハードルになるところです。

3バックは昨シーズンのJ1王者を力強く支える山川哲史(ヴィッセル神戸)、本職はアウトサイドながら、3バックの中央で高いポテンシャルを見せる中野就斗(サンフレッチェ広島)、10代から大器と期待されて、ようやく長いトンネルを抜けた感のある三國ケネディエブス(名古屋グランパス)というセットにしました。

右サイドは大卒ルーキーながら5得点など、悲願のタイトルを目指すチームに躍動感をもたらしている濃野公人(鹿島アントラーズ)を選びました。もちろんパリ五輪の有力候補である関根大輝(柏レイソル)や新天地で高いシュート力を見せる新井直人(サンフレッチェ広島)、守備強度の高い石原広教(浦和レッズ)などもいますが、濃野のアップデート力を評価しました。

ボランチは正確な長短のパスで存在感を見せる秋山裕紀(アルビレックス新潟)とJリーグの”シン・デュエル王”知念慶というハイスケールなコンビに。左のアウトサイドは所属クラブで左サイドバック、インサイドハーフ、ウイングをこなす渡邊凌磨(浦和レッズ)のポリバレントな能力と適応力を買って選びました。本職のサイドバックとしては守備面にまだまだ向上の余地はありますが、3ー4ー2ー1なら左ウイングバックは適任でしょうし、複数システムを使い分ける”森保ジャパン”にフィットしやすい選手です。

2シャドーは個の高い力と活動量を発揮できる紺野和也(アビスパ福岡)とパリ五輪世代からA代表にもあまりいないタイプの平河悠(FC町田ゼルビア)というセットに。ここはパリ五輪代表候補の荒木遼太郎(FC東京)や1トップも担える大橋 祐紀(サンフレッチェ広島)など、Jリーグでもタレントが多いポジションなので、どういうコンビが”森保ジャパン”に新たなものをもたらしそうかという基準で選びました。

1トップには迫力ある突破とポストプレーを使い分ける木村勇大(東京ヴェルディ)を抜擢してみました。まだ荒削りですが、身体的なポテンシャルと直向きさはカタールW杯のメンバーに滑り込む前の町野修斗(ホルシュタイン・キール)を想起させます。離脱前まで12試合11得点と爆発的な活躍を見せたジャーメイン良(ジュビロ磐田)はすでに試合に復帰したものの100%とは言えず、今回は保留に。引き続き注目していきたいと思います。

スポーツジャーナリスト

タグマのウェブマガジン【サッカーの羅針盤】 https://www.targma.jp/kawaji/ を運営。 『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを製作協力。著書は『ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)など。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才脳”」監修。

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