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WBC暫定王者が9回KOで防衛

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 現地時間24日にミネアポリスで行われたWBC暫定ミドル級タイトルマッチは、チャンピオンのカルロス・アダメスが、挑戦者ジュリアン・ウィリアムズを第9ラウンド2分45秒でストップし、防衛に成功した。

 序盤は一進一退の攻防が続いたが、第2ラウンドにアダメスがウィリアムズをぐらつかせ、元WBA/IBFスーパーウエルター級チャンプが耐え凌ぐ展開となる。翌3ラウンド、ウィリアムズは右目の下をカット。が、元2冠王者の意地を見せ、パワー・ショットを何発も放って流れを引き寄せる。

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 4ラウンド、アダメスが連打を繰り返し、流れは再び王者に。ウィリアムズも応戦し、互いに見せ場を作りながらラウンドを重ねる。

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 第9ラウンド、王者の動きが冴え、力を込めた連打でウィリアムズをよろめかせると、レフェリーが試合終了を宣告した。

 勝者は言った。

 「今日、応援に来てくれた皆さんに本当に感謝している。ファンには素晴らしい試合をお見せできたし、タイトルを持って帰るという自分の目標も達成した。彼が4ラウンドを乗り切れたのは、ベテランらしいスキルを持っているからだね。

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 自分は落ち着いて戦えた。ウィリアムズも俺を倒そうと手を出したが、全体を通じてこちらがリングを支配したね。そして俺の右2発がヒットした折、レフェリーが試合を止めた。もう一発当たっていたら、彼は怪我をしていただろうよ」

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 挑戦者はストップに納得せず、試合後のリングで不快感を露にした。

 「ひどいレフェリングだ。ふざけないでくれ。私はダメージを負ってはいないし、何の問題も無かった。互角だと感じていた。彼が疲れを見せた際には私が主導権を握っていた。レフェリーが飛び込んだ事について、彼に非は無い。もちろん再戦を希望するよ」

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 ストップ時点での採点は、80-72、78-74、77-74で暫定王者がリードしていた。

 戦績を23勝(18KO)1敗としたアダメスは結んだ。

 「木を切り倒すには、幹から崩せば勝手に倒れると俺は知っている。自分は戦士だ。少し休憩して、次を見据えるよ」

 アダメスはWBC正規チャンピオンとなれるか。160パウンドで生き残れるか?

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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