台風9号の進路の鍵を握る太平洋高気圧の張り出し
沖縄本島と宮古島の間を通過か?
おととい28日(金)21時時点の予報円では、台風の中心がちょうど沖縄本島付近を通過する予想となっていたため、沖縄本島付近を通過する台風としては過去最強クラスとなるおそれもありましたが、きょう30日(日)午前9時に発表された最新の予報円では、やや西寄りとなり、沖縄本島と宮古島の間を通過する予想となっています。
台風が沖縄付近を通過するあさって1日(火)にかけて、中心気圧925hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルが予想されていますが、台風が沖縄本島と宮古島のちょうど間を抜けるコース予想となっているため、沖縄本島地方と宮古島地方で予想されている最大瞬間風速は、これよりもやや弱く、40メートルから60メートルとなっています。
とは言え、気象庁の情報でも触れていますが、最大瞬間風速が60メートルに達すると、電柱や街灯で倒れるものがある、ブロック塀でも倒壊するものがある、住家でも倒壊するものがある、というような大きな災害につながりかねない暴風となります。
沖縄地方では、記録的な暴風の他、高潮、大雨、高波などにも厳重な警戒が必要です。
なお沖縄通過後、東シナ海でゆるやかに転向し、2日(水)から3日(木)にかけて、予報円の真ん中を進むと、強い勢力で朝鮮半島へ上陸する予想ですが、九州でも大荒れとなるおそれがありますので、今後の情報に十分ご注意下さい。
鍵を握る太平洋高気圧の張り出し
今回、台風9号の進路を決定づける大きなウェイトを占めているのが、東海上から日本付近へ張り出している太平洋高気圧です。
沖縄付近では当初の予想より若干、西側へ張り出す計算に変わってきているため、上述のように、沖縄本島直撃コースから沖縄本島と宮古島の間を通るような予想に変わってきたと思われます。
その後、九州の西海上に達する2日(水)から3日(木)にかけて、太平洋高気圧の張り出しが弱まれば、大きく転向し、九州付近から北日本へ北東進するような最悪のコースも考えられるのですが、幸いなことに3日(木)にかけて、北日本方面で太平洋高気圧の勢力がかなり強まるため、北日本へは近付くことが出来ず、そのまま真っすぐ北上するような可能性が非常に高くなっています。
とは言え、このパターンになると、北日本を含めて、日本海側ではフェーン現象で超高温となり、3日(木)から4日(金)頃は40℃近い記録的な暑さに見舞われるおそれがありますので、荒天にならなくとも、熱中症には厳重な警戒が必要です。