台風9号、最大瞬間風速70メートルで沖縄本島へ最接近のおそれ
沖縄本島へ最接近時に最大瞬間風速70メートル予想
きのう28日(金)午後3時、フィリピンの東に発生した台風9号は徐々に勢力を強めており、きょう29日(土)午前9時の段階で、中心気圧985hPa、最大風速30メートル、最大瞬間風速40メートルで、すでに暴風域を伴う台風へ発達しています。
現在はほとんど停滞していますが、今後は台風を北へ進める上空の風が比較的明瞭となるため、ゆっくりと北上を始めながら急速に発達する見込みです。
その発達を手助けするのが、沖縄の周辺から東シナ海にかけて海水温30℃以上の海域が大きく広がっていること。
先日の台風8号が通ったことで東シナ海の西側ではピーク時よりもやや温度の下がった所もありますが、今後台風9号が北上してくる海域はほぼピークの状態が続いており、広く30℃から31℃以上もあります。
台風9号はこの暖かな海面上で発達を続け、あさって31日(月)から1日(火)にかけて沖縄周辺でピークを迎える予想となっており、この時点で中心気圧925hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速が70メートルに達すると見込まれています。
後述しますが、これまで沖縄本島付近を通過した台風で最も強いクラスは930hPa前後ですから、コースによっては沖縄本島へ近付く台風としては過去最強クラスとなるおそれがあります。
さらに沖縄通過後、2日(水)から3日(木)にかけて、九州へかなり近付く予想となってきており、この時点でもまだ非常に強い勢力を維持しており、最大瞬間風速は60メートルから70メートルが予想されています。
コースによっては九州でも記録的な暴風に見舞われるおそれがありますので、今後も最新の台風予報円に注意するとともに、早め早めの台風対策を心がけて下さい。
記録的な暴風の他に、大雨や高波、高潮などにも厳重な警戒が必要となります。
沖縄本島付近を通過した記録的に強い台風
筆者が調べたところ、台風の統計がある1951年以降で、沖縄本島付近を通過した過去最も強い台風は、中心気圧930hPa前後となっています。
なかでも1956年の台風12号では、9月13日に那覇で最低気圧936.3hPa、最大瞬間風速73.6メートルを観測し、現在でもこれが那覇の過去1位の記録となっています。
また2012年の台風17号では、9月29日に那覇で最大瞬間風速61.2メートルの過去3位となる暴風を観測しました。
今回の台風9号でも勢力やコースによってはこれに匹敵するような記録的な暴風が沖縄本島などで吹くおそれがあります。
気象庁による風の強さと吹き方によると、最大瞬間風速が60メートル以上に達すると、電柱や街灯で倒れるものがある、ブロック塀でも倒壊するものがある、住家でも倒壊するものがある、というような沖縄本島でも滅多に観測されることがないような暴風となり、特に沖縄本島のすぐ西側を台風が北上するようなコース取りは最も危険なコースと言えます。
さらに今は、もともと潮位の高い時期で、満潮時の潮位はかなり高いのですが、2日(水)は満月となるため、コースによっては顕著な高潮が発生するおそれがあります。
記録的な暴風の他、高潮、大雨、高波などにも厳重な警戒が必要です。