「ガソリン代・燃料代」トップで68.4%…自家用車所有者が車の諸経費で負担に感じるもの
自動車は便利な道具ではあるが、維持にはさまざまな費用が必要。自家用車所有者はどのような経費を負担だと思っているのだろうか。ソニー損害保険が2024年8月に発表した、カーライフの実態に関する定点観測的調査(※)の2024年分における調査結果から確認する。
自家用車を所有して定期的に利用運転をするのには、多様な費用が必要になる。ガソリン代などの燃料代はもちろん、駐車場代、修理代やメンテナンス代。そして保険料や自動車税などの税金に、さらには車検代。
そこで自家用車を所有する調査対象母集団に、どのような経費が負担に感じるかを尋ねたところ、もっとも重い負担を覚えたのは「ガソリン代・燃料代」だった。68.4%の人が負担だと答えている。
トップの「ガソリン代・燃料代」は、運転のスタイルにもよるが、定期的、例えば月一単位で財布の中身を減らしていくもの。場合によっては週単位で給油が必要な人もいるだろう。負担を感じるのも当然の話。昨今ではロシアによるウクライナへの侵略戦争で原油価格の高騰を受けてガソリン代も上がっているため、負担の度合いもアップしているものと考えられる。
第2位の「自動車税」は環境関連で税制が頻繁に変わり、大体は税額が大きくなるのに連れて、負担を感じる人も多いのだろう。第3位の「車検・点検費」は燃料代や駐車場代、修理代などと異なり、毎月一定額の出費が求められるものではない。しかし多くは2年毎に、10万円前後の費用が一度に必要となるため、重い負担がかかるとの認識が強い。賃貸住宅における更新料と同じようなものと考えれば、自動車を保有していない人にも理解はできるだろうか。
第4位の「自動車保険料」は、色々なタイプの自動車事故が相次ぎ報じられるに連れて、自賠責保険だけでなく任意保険にも加入しようと考える人が増えているのが要因だろう。
「駐車場代」「修理代」は2割前後と少なめだが、これは地域によって大きな違いがあるため。後述するが、「駐車場代」は駐車場代の高い都心部のみに限定すれば、もう少し高い値を示す。
ここ数年の変化を見るとイレギュラーはあるものの、「車検・点検費」は高い値で安定から漸減、「自動車税」が漸増、「自動車保険料」がほぼ横ばい、「駐車場代」「修理代」は法則性は無し、そして「ガソリン代・燃料代」が2016年を底としておおよそ増加を示していたが、2018年を天井として、その後2年ほどは下落、そして2022年に大きくせり上がっている。ほぼ原油価格の上下に合わせたガソリン価格の動向に連動しているのだろう。直近2024年では「自動車税」「自動車保険料」が大きく下落するという、少々イレギュラーな動きをしているのが気になるところ。
いかにガソリン価格が自家用車の所有者の心境に大きく作用するか、大いに理解できよう。
他方、自家用車の利用コストの観点では、居住地域によって違いが生じるとの意見も強い。今回調査分では回答者の居住地域、具体的には都市部(市・区における人口ランキングの上位都市(1~8位)である、北海道札幌市・東京都23区・神奈川県横浜市・愛知県名古屋市・京都府京都市・大阪府大阪市・兵庫県神戸市・福岡県福岡市を「都市部」とし、それ以外を「地方」と定義)と地方に区分した上で集計した値も収録されている。
都市部ではトップが「ガソリン代・燃料代」で次いで「自動車税」、「車検・点検費」「自動車保険料」と続く。地方も序列は変わらず、トップが「ガソリン代・燃料代」となり、「自動車税」「車検・点検費」「自動車保険料」と続く。しかし「駐車場代」の値は都市部では地方の2倍以上となっており、都市部での駐車場の確保が困難、コスト的に割高であることが改めて確認できる。
とはいえ、都市部に住む人の「駐車場代」の負担度合いは、地方に住む人と比較しても「修理代」と順位が入れ替わる程度。「自動車税」「ガソリン代・燃料代」など上位陣にはおよばない、つまり相対的に見れば大きな問題ではないと考えられているのもまた事実ではある。
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※カーライフの実態に関する定点観測的調査
今調査は2024年7月12日から16日にかけて自家用車を所有し月1回以上運転する18~59歳の男女を対象に、携帯電話を用いたインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。男女比、10代~20代・30代・40代・50代の年齢階層別構成比は均等割り当て。調査機関はネットエイジア。過去の調査もほぼ同じ条件で実施されている。
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