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NY原油29日:気温低下、在庫減少予想で反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油2月限 前日比1.06ドル高

始値 36.70ドル

高値 37.94ドル

安値 36.69ドル

終値 37.87ドル

北米の気温低下でやや買い戻しが優勢になり、反発した。

前日は過剰供給の長期化懸念で大きく値位置を切り下げたが、本日は売りポジション整理の動きが優勢になった。一応は北米の気温低下で暖房用エネルギー需要の拡大期待なども指摘されているが、単純に年末を控えてのポジション調整とみて良いだろう。明日発表される米原油在庫が、前週比-250万バレルと減少予測になっていることも、売りポジションの整理を急がせた模様だ。

アジア・欧州タイムから36ドル台後半で底固く推移していたが、ニューヨークタイムに入ると37ドルの節目もブレイクし、一気に37ドル台後半まで値位置を切り上げている。引けにかけてもじり高傾向を維持しており、本日の高値圏で引けている。

年末に向けては薄商いの中で方向性が定まりづらいが、原油相場の基調が下向きとの判断に修正を迫る必要性は乏しい。過剰供給是正を促すには、いずれにしても原油安が必要との見方が強く、35ドル割れ定着を打診するステージが続く見通し。季節要因から在庫積み増し傾向にブレーキが掛かり易いことに注意が必要だが、自立反発的な動きに留まろう。年末に向けてショートカバーが膨らむリスクは残るが、原油相場が本格的に上昇するシナリオを描くことは難しい。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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