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“校歌が韓国語”京都国際の甲子園初の決勝進出を機に「知っておきたい事実」 #専門家のまとめ

金明昱スポーツライター
京都国際高校の前身は京都韓国学園(写真提供・李良剛氏)

 京都国際高校が甲子園の決勝戦に初めて進出した。同校が韓国系の民族学校が前身であること、校歌が韓国語などでも話題となり、韓国でも注目されている。これを機に学校と野球部の歴史、現状がどのようなものなのかを知っておきたい。

ココがポイント

▼韓国メディアが京都国際の決勝進出を一斉に報じる。共通しているのは韓国語の校歌に「東海(トンヘ)」が含まれ、全国中継されている点

韓国報道「初の決勝進出の奇跡」 京都国際、校歌にも注目(共同通信)

▼京都国際中学高等学校は中高合わせて全校生徒160人。韓国系の民族学校がルーツだが、全校生徒の90%が日本人

野球:韓国語の校歌がまた流れる…京都国際高校、日本の甲子園で初の決勝進出(朝鮮日報)

▼1947年に京都朝鮮中学が設立。58年に京都韓国学園に。2004年から日本の学校教育法第1条の認可を受けて現在の校名に。

0-34の大敗から22年。“校歌は韓国語”京都国際主将OBが語るセンバツ初出場の意味(Yahoo!ニュース エキスパート 金明昱)

▼野球部創部は1999年。新興校で甲子園出場はたったの3回。それでも2008年から23年まで11人のプロを輩出。今や“常勝軍団”に

甲子園出場“3回だけ”の新興校から今年は「ドラフト指名3人」のナゼ《5年連続プロ輩出》京都国際高のナゾを追う「最初は部員を揃えるために…」(Number Web)

▼強豪校とは思えないほど狭いグラウンド。練習試合、フリー打撃、内外野連係のノックもできないが、弱みを強みに変えて練習に工夫も

「やばい極狭」グラウンドで京都国際が勝てる訳 2度目の甲子園4強(毎日新聞)

エキスパートの補足・見解

 京都国際高校の甲子園初の決勝戦進出で、試合内容や応援の様子が報じられているが、一方で前身が韓国系の京都韓国学園だったこと、校名は変わってもテレビで韓国語の校歌が流れることも注目の理由だろう。

 ちょうど同校の教頭先生と電話で話す機会があった。野球部はほとんどが日本人だが、中には在日コリアンもいると教えてくれた。野球部のグラウンドは狭いと言われ、練習環境がそれほどよくないイメージがあるが、「むしろ恵まれていると思います」(教頭先生)とも語っていた。聞くと学校全体で野球部を支えており、グランド使用を優先し、体育館も使え、室内練習場も整備。きわめつけは「全寮制なんです。それにご飯も美味しいんですよ(笑)」と教頭先生は笑っていた。

 同校野球部がどのような環境の中で支えられてここまで来たのか。パリ五輪で多くの選手たちが見せてくれたようにスポーツには、国境や人種などすぐに飛び越えられてしまう力がある。甲子園決勝戦後もスポーツマンシップに乗っ取った爽やかな報道が増えることを願ってやまない。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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