任天堂が対コロプラ特許侵害訴訟で使った特許番号が明らかになったので中身を解説します(後半)
後半です。(前半記事)
特許5595991号「通信ゲームシステム」
出願日:2011年8月22日2005年7月27日(優先日:2005年5月6日)
通信ゲームで相互に登録済のユーザーとしかゲームをしないという制限をかけるという特許です。比較的最近の出願であるにしては、めちゃくちゃ範囲が広いように思えます。追記:すみません、ツイッターで指摘受けましたが、分割出願の原出願の出願日は2005年7月27日(優先権まで考慮すると2005年5月6日)で、全然新しくありませんでした(あわてて書いたので見落としてました)。
特許3637031号「ゲーム装置およびゲームプログラム」
出願日:2002年4月3日
図面にゲームキューブの絵(タイトル画像参照)が登場します。3DゲームのUIがいろいろと模索されていた頃かと思います。特許のポイントは、プレイヤーのキャラが物体の影に隠れた時の表示方法です。従来は仮想カメラが回り込んでキャラが表示されるようにする、あるいは、物体を半透明にしてキャラが透けるようにするというやり方だったのですが、いずれも操作性を損なうので、プレイヤーが影に隠れていることを示す目印を表示するというものです(下図における82、86、84、84Aは目印の例です)。
前半分も合わせてさくっと見た限りでは、任天堂の特許ポートフォリオの「キラー」ぶりは半端ないという印象です。
追記:今回に限らない話ですが、Y!個人における私の特許解説記事は、「これはこういう特許である」という解説に留めさせていただいております。これは無効だとか侵害してないみたいな話を書いてしまうと後で実業に差し支える可能性もないわけではないので。