一発を狙うなら東京ドームより神宮が吉。ヤフオクドームの改修は本塁打は増えても得点への影響は小さいかも
本塁打が出やすいのはもちろん狭い球場
東京ドームは本塁打の出やすい球場として知られている。では、神宮と横浜スタジアムではどちらが出やすいだろうか。また、甲子園とナゴヤドームではどちらが出にくいだろうか。同一リーグの他球場と比べて本塁打が出やすいかどうかは
{(ホームチームの本拠地での本塁打+ホームチームの本拠地での被本塁打)÷本拠地での試合数}÷{(ホームチームの本拠地以外での本塁打+ホームチームの本拠地以外での被本塁打)÷本拠地以外での試合数}
で計算出来る。この本塁打パークファクターが1より大きければ本塁打の出やすい球場、1より小さければ本塁打の出にくい球場となる。昨季の本塁打パークファクターは以下の通り。
東京ドーム 1.305
甲子園 0.646
マツダスタジアム 0.871
ナゴヤドーム 0.620
横浜スタジアム 1.334
神宮 1.482
ヤフオクドーム 0.700
京セラドーム 1.044
札幌ドーム 0.888
QVCマリン 0.879
西武ドーム 1.165
コボスタ宮城 1.136
東京ドームはイメージ通り一発が出やすい球場だが、実は神宮の方が出やすい球場だったことがわかる。これは昨季のヤクルトが打線は猛打を振るう反面、投手陣が失点を重ねたため神宮の数値が高くなったと思いがちだが、本塁打パークファクターは本拠地での試合と本拠地以外の試合での本塁打、被本塁打の多さを比べたものだからチームの打力や投手力は反映されない。東京ドーム、横浜スタジアム、神宮の数値が高いことから狭い球場はやはり本塁打が出やすいという当然の結論が導き出された。
ヤフオクドームの改修は本塁打は増えても得点への影響は小さい?
狭い球場ではもちろん本塁打は出やすくなるが、外野の守備位置が深くないためワンヒットで二塁ランナーが生還出来なかったり、インフィールドの長打が減ることもある。これらの要素も含んで同一リーグの他球場と比べて得点が入りやすい球場かどうかを示した昨季の得点パークファクターは以下の通り。計算式は本塁打パークファクターの本塁打を得点に、被本塁打を失点に変え
{(ホームチームの本拠地での得点+ホームチームの本拠地での失点)÷本拠地での試合数}÷{(ホームチームの本拠地以外での得点+ホームチームの本拠地以外での失点)÷本拠地以外での試合数}
これも1より大きければ得点の入りやすい球場、1より小さければ得点の入りにくい球場となる。
東京ドーム 0.961
甲子園 0.780
マツダスタジアム 1.109
ナゴヤドーム 0.899
横浜スタジアム 1.165
神宮 1.154
ヤフオクドーム 0.964
京セラドーム 0.990
札幌ドーム 0.968
QVCマリン 0.967
西武ドーム 1.121
コボスタ宮城 1.005
本塁打パークファクターは1.305と高かった東京ドームだが、得点パークファクターは0.961と他球場とほぼ変わらない。今季の注目は大規模な改修を行ったヤフオクドームだろう。昨季のヤフオクドームは
本塁打パークファクター 0.700
得点パークファクター 0.964
パリーグで最も本塁打は出にくいが点の入りやすさは他球場とあまり変わらない球場だった。今季はホームランテラスを設けたため外野は最大5m狭くなりフェンスも低くなったため、どう考えてもソフトバンクの本塁打と被本塁打は増える。ただ、改修後の初戦、韓国サムスンとの親善試合では低いライナーが右翼のホームランテラスに飛び込み注目を集めたが、その後は落ち着いた試合が続いている。東京ドームと同じように左中間、右中間の膨らみが少ないためインフィールドの長打や守備位置が前になったことでワンヒットで2つ進塁するケースが減り、結果的には得点パークファクターにはそれほど影響しない可能性もある。