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上地雄輔と澤穂希(の夫)。30代後半女性と結婚する「同世代の男たち」の心情とは?

大宮冬洋フリーライター

今月は著名人の結婚ラッシュらしい。ただし、山本耕史(38)と堀北真希(26)、アンタッチャブル山崎弘也(39)と一般女性(32)の結婚は「ありがちな歳の差」で興味が湧かない。仕事ができて恋愛にも積極的な男性は、自分が何歳になっても若く魅力的な女性と結婚できるからだ。

筆者は35歳以上で結婚した「晩婚さん」男女を取材しつつ、「お見合いおじさん」としての活動レポートを続けている。30代後半以降でようやく結婚を意識し始めた独身男性たちに話を聞くと、「できれば20代。それが無理なら35歳未満の女性と結婚したい。子どもが欲しいから」が決め台詞のように飛び出す。「子どもが欲しい」という気持ちにウソはないと思うが、「あなたで本当に大丈夫なのか」とも感じてしまう。

輝くような若さを全身から発している女性と遊ぶのは確かに楽しい。デートしているうちは尊敬してもらえるし、強く言えば素直に従ってくれることも多いのでいろんな面で楽だ。その関係を10年後20年後も維持する自信があるのならば構わないが、結婚をして共同生活を始めるとボロが出る男性のほうが多いように思う。多くの年下女性は「頼りがいのある優しい男性」だと見上げて結婚しているだけに、期待を裏切られたときの失望と怒りは大きい。高橋ジョージ(56)と三船美佳(32)の事例を挙げるまでもないだろう。

こんなことをボヤいても、日本人男性の「若い女の子大好き」傾向は変わらない。結果として、35歳以上の女性は結婚を望んでもかなり厳しい現実に直面する。40歳を超えての初婚は絶望的に厳しいと言っても過言ではない(なぜかバツイチ女性は比較的結婚しやすい)。

だからこそ、同級生の女性と結婚した上地雄輔(36)と、女子サッカー選手の澤穂希(36)と結婚した元Jリーガーの辻上裕章(38)に注目したい。キャリアや外見からするといかにもモテそうな彼らは、なぜ同世代の30代後半女性を伴侶に選んだのか。

ここからは筆者の推測になるが、彼らに共通するのは良く言えば謙虚さ、悪く言えば自信のなさだと思う。「オレがお前を養う。オレについてこい」といった傲慢さも含む心構えではなく、「僕はいいトシして未熟者です。支え合いながら家庭を築いていきましょう」という心情なのだ。そして、自分と同等もしくはそれ以上の人生経験や実力を備えた女性に行きつく。

結婚に必要なのは「現時点での強さ」ではないと筆者は思う。さまざまな状況変化に戸惑いながらも朗らかに対応する柔軟性が、赤の他人との共同生活には欠かせない。このような「大人の柔軟性」の前提には、挫折や再起を経て培われる謙虚さがあるのだ。20年後も、上地と辻上は幸せな結婚生活を送っている気がする。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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