パキスタンで洪水発生。死者多数、橋崩落も
週末(4月2・3日)パキスタン北西部に降った大雨により、大規模な洪水や土砂崩れが発生しています。これまでのところ60名以上が死亡したと伝えられていますが、さらに死者の数が増える恐れがあります。
災害が発生したのは、パキスタン北西部のカイバル・パクテュンクワ州とカシミール地方です。多数の家屋が壊滅的被害を受け、また橋がところどころで崩落しています。さらに、地滑りのために道が寸断され、今も数千人が立往生しているようです。
夏まで続く洪水の懸念
大雨の原因は、動きの遅い低気圧でした。2日間で、2〜3ヶ月分の雨量に相当する210ミリ超の雨が観測されました。
パキスタンでは、今年3月中旬にも大雨が発生し、北部を含め国内で50名以上の死者が出る被害が起きています。地方部であるパキスタン北部は、粗末な家屋が多いために被害が拡大しやすいのです。
パキスタンの気象局によると、今春の降水量はいつもより多くなる見通しで、さらなる洪水が心配されます。また、7月から9月になるとモンスーンの季節となり、雨量がさらに増えます。本場の洪水のシーズンはこれからです。
洪水の問題点
洪水が増えると、デング熱、マラリアなど、蚊を媒介とする伝染病が増えます。また、学校が水に浸かったり、避難場所に使われたりすると、教育も遅れることになります。そしてもちろん、食糧生産が減り、飢餓や貧困の問題が深刻化し、ひいては政治状況に思わぬ混乱を招くこともあります。