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「難しい局面が多かった」「またいい状態で臨めれば」王位戦七番勝負第4局で勝った藤井聡太王位コメント

松本博文将棋ライター

藤井聡太王位「(先手で戦型は角換わり腰掛銀の将棋)そうですね。(43手目)▲4五銀から銀交換になって。こちらが手得(てどく)しているような形にはなったんですけど。ただ、それを活かせるのかどうか、難しいのかなと思っていました。(以後の構想)ちょっと先手なのでなにか主張を作りにいかなくてはいけないと思って(53手目)▲5五歩と突いたんですけど。ただ、そうですね。(直後に)△6三角と打たれてみると、4七玉が不安定な形のまま戦いになってしまいそうなので、ちょっとそうですね、失敗したのかなと思っていました。(封じ手の56手目△8六銀に1時間6分考えた)そうですね、うーん・・・(小考)。そうですね、あまり予想していた手ではなかったんですけど。ただ、打たれてみるとこちらがどう指すのか、難しいのかなと思いました。(59手目▲5六角と攻防に打った)ちょっと手が広いところで、▲5六角も、ちょっとそうですね、いい位置なのかどうか、わからなかったです。最後(66手目)△8八飛車成に▲5八金(寄)ではあまり自信が持てる展開ではないのかなと思っていました。(79手目)▲2二銀で一応、後手玉にもプレッシャーをかけられる形になったので。そのあたりは流れとしてはわるくないのかなと思って指していました。(最後は受けずに最短の勝ちを目指した)そうですね、本譜の(自玉の)形が詰まなければというふうには考えていました。(一局を振り返って)ちょっと序盤からなんていうか、見慣れない形になって。局面の判断であったり構想を立てるのが難しい局面が多かったのかなと思います。(9月5日・6日におこなわれる次局に向けて)そうですね。第5局は十日後ぐらいということで。それまでにしっかり準備をして、またいい状態で臨めればと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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