2カード連続で3戦3勝!7連勝でリーグ一番乗りの10勝《阪神ファーム》
きのう7日、鳴尾浜球場で行われたウエスタン・阪神-ソフトバンク戦は4対1で阪神が勝ち、これで前カードの広島戦に続き3連戦3連勝!3月27日のオリックス戦から1分けを挟んで7連勝となり、10勝にリーグ一番乗りです。14試合を消化した時点での10勝到達は、かなりの早さだと思って調べてみたら、上には上がありました。
リーグ優勝した昨年は24試合目、同じく2010年は23試合目で今季より10試合ほど遅いのですが、それ以前の何度も優勝していた2000年代前半あたりがすごい!まず2005年。3月26日に開幕して6連勝、1つ負けたあと引き分けを1つ挟んでまた7連勝しています。その途中の4月8日、11試合目で到達した2ケタ勝利。よって10勝1敗という成績でした。この年の阪神は、開幕から一度も首位の座を明け渡さずに優勝したんですね。
さらに遡って2000年。これも同じく11試合目で10勝一番乗りしましたが、なんと10勝0敗1分け!開幕から負けなしです。3月31日に開幕して、そこから9連勝した阪神。8連勝の時点で開幕からの連勝がリーグ新記録となりました。さらに引き分けを挟んで4月13日に勝って10連勝、これは現在も阪神ファームの最多連勝記録です。ものすごいスタートダッシュをかけながら、この年の阪神は2位に終わっています。優勝は中日でした。
そんなわけで、今季がチーム最短での10勝到達ではありませんが、7連勝のスタートだった3月27日からずっと首位をキープしてきました。10勝2敗2分けで貯金は8。2位の広島が9勝9敗の5割で、他は負け越しています。とはいえ、いつも書いているように打線は1軍と同じく控えめ…。少ないヒットで取った少ない得点を、投手陣が頑張って守ってくれている状況。でもまあ勝負はこれからですよね。期待しましょう。
2カード連続で3戦3勝!3カード負けなし
では7日のソフトバンク戦をご紹介します。この日は板山選手が先制タイムリーに加え、タイムリー二塁打も放って3安打。高山選手もタイムリーを含む2安打、最後に片山選手の3号ソロで計4点を取りました。そして投手陣も8回まで無失点リレー!9回に1点を失ったものの(自責0)、リードを守って逃げ切っています。
そういえば、打点を挙げた板山選手、高山選手、片山選手の『山トリオ』は、この3連戦においても打の日替わりヒーローですね。5日が“4番キャッチャー”の片山選手が先制のタイムリー二塁打と2号ソロを含む3安打、6日は高山選手が先制の2ラン、そして7日は板山選手が3安打2打点。ヒーロースピーチも、そのまま片山選手、高山選手ときたので、7日は板山選手だろうと構えていたら…牧投手でした。
試合後に聞いたら「なんでか、わからないです。平田監督が『丈一郎!』って。それでマイクを渡されたので」と牧投手も驚いた様子。急に振られても上手にしゃべったのは、さすが!「そういうのはうまいんです」。8回に登板した牧投手はヒットも四球もなく、しっかり0点に抑えるピッチング。だから明るい笑顔だったんでしょう。なお写真は撮れなかったので、別の日のものを掲載させていただきます。ご了承ください。
《ウエスタン公式戦》4月7日
阪神-ソフトバンク 6回戦 (鳴尾浜)
ソフ 000 000 001 = 1
阪神 010 011 01X = 4
◆バッテリー
【阪神】○岩崎(1勝1S)-呂-歳内-牧-斎藤 / 片山
【ソフ】●松本(2勝1敗)(5回)-田浦(1回)-岡本健(1回)-二保(1回) / 九鬼
◆本塁打 神:片山3号ソロ(二保)
◆二塁打 神:陽川、板山
◆盗塁 ソ:田城(1)
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]左:高山 (4-2-1 / 1-0 / 0 / 0) .429
2]中:島田 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .200
3]指:伊藤隼 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .088
4]捕:片山 (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .429
5]三:陽川 (2-1-0 / 0-2 / 0 / 0) .209
6]右:板山 (4-3-2 / 0-0 / 0 / 0) .211
7]二:熊谷 (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .205
8]一:藤谷 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .167
9]遊:小幡 (2-1-0 / 0-1 / 0 / 1) .107
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ※
岩崎 5回 69球 (2-4-3 / 0-0 / 1.64) 143
呂 1回 11球 (1-0-1 / 0-0 / 8.10) 141
歳内 1回 14球 (0-0-0 / 0-0 / 6.00) 145
牧 1回 12球 (0-0-0 / 0-0 /15.43)146
斎藤 1回 18球 (1-2-0 / 1-0 / 0.00) 149
※チームのスピードガン計測の数値
《試合経過》※敬称略
まず攻撃。1回は先頭の高山が右前打しましたが、併殺もあって無得点。2回は1死から陽川が左中間へ二塁打を放ち、続く板山の左前タイムリーで生還。この3連戦すべて先制点を挙げています。3回と4回は三者凡退で、5回は熊谷と小幡の四球などで2死一、二塁として高山が左前タイムリー。6回にも1死から陽川が四球を選んで板山が左中間へタイムリー二塁打!そして8回は先頭の片山にライトへの3号ソロが出て計4点です。
投手陣は、先発の岩崎が1回に2四球を与えるも0点に抑え、2回は先頭の6番・川瀬の左前打を浴びますが、誘い出してセカンドでアウトにすると、そこから連続三振!3回は2死から2番・九鬼の中前打のみ。4回は三者凡退で、5回も先頭に四球を与えながら併殺など3人で片づけました。
6回の呂は1安打1四球で1死一、二塁としたあと4番・美間を投ゴロ併殺打に切って取り無失点。7回の歳内は三者凡退。8回は牧が登板して、先頭をショート・小幡の捕球エラーで出しますが、後続を打ち取って0点に抑えました。9回は斉藤が、先頭の三森に左前打され、続く美間への初球で進塁(盗塁は記録されず)。さらにバッテリーエラー(記録は片山の捕逸)で三塁へ進め、美間の右犠飛で1点を失います。そのあとは斉藤が連続三振を奪って試合終了。
「どこで投げても自分の力をつけること」
平田監督は岩崎投手について「5回と言われて、初回から飛ばしていたね。スピードもあって、よかった」と言い、これからは中継ぎでの登板になるのか?との問いには「1軍の相談しながら決めていく。馬場や浜地、才木と先発が増えてきたからね」と答えました。香田投手コーチも「力とかキレが出るようになった。彼本来のボールをしっかり投げていたし。今後は、1軍が先発とリリーフのどちらがほしいかによって」とのことです。
岩崎投手本人は試合後、登板を振り返って「そんなに悪くなかったので。フォアボールだけ」とコメント。ボール自体もよかった?「そうですね。いい当たりもなかったと思いますし。ただ、もうちょっと大胆にいくところもあった方がよかったかなと。初回は慎重になりすぎたかも」。先発、中継ぎというところは「自分の力をつけることしか考えていないので。いろんなとこで投げることはありますけど」と話していました。
マルチヒットの板山選手には「やっと!」という言葉が最初に出た平田監督。「でもまだまだ。本来のバッティングまで、もうひとつ。暖かさとともに上がってきたんじゃないか?まだ五分咲き」と奮起を促し、また前日と同じく4打席目で打った片山選手には「この3試合、大したもんだよ。タコ(無安打)で終わるのとでは違う。一番打率がいいからな」と、先への期待がうかがえるコメント。
同期の『山山コンビ』が揃い踏み
板山選手は3安打に「ヒットはずっと出ていなかったんですけど、前を向いてやっていくしかなかったので、自分でいろいろ考えてやって結果が出たのでよかったです。継続してやっていきたい」と言います。いろいろ考えてやってきたのは?「タイミングが自分でしっくりこないところがあったので。新井コーチと相談しながら」
2回は1死二塁、5回は1死一塁でのタイムリーです。「これまでチャンスで凡退していたし、逆方向にヒットが出たのは収穫かなと思います」。どちらも陽川選手がよく走ってくれましたよねえ。早く1軍へいけますように。「もちろん上がることが目標じゃなく、1軍で活躍しないといけないので、アピールしていきたい」
高山選手は前日、1打席目で三振を喫したため2打席目のホームランに「価値がない」と言っていたのですが、この日は最初に右前打が出ました。「上に行ったら1打席しかない。きのうは三振で、きょうはヒットになったので、それがよかった。全部“1打席”のつもりで入っています。1番を打たせてもらっているし、特に初回は」
5回のタイムリーは「バッティング有利のカウントで、1球で仕留められたのはよかったかなと思います」とのこと。こういうのを増やしていけたらいい?と聞かれ「増やしてというより、全部打つくらいでないとチャンスはないので」と、表情が緩むことはない高山選手でした。
新加入の『山』は4番の3試合で2発!
最後は片山選手です。8回に1ボールからの2球目(138キロ)を打って、ライトへの第3号ソロ!前日も3打席ノーヒットで迎えた8回に三塁打を放って、この日も同じく最終打席。この3連戦は本塁打2、三塁打1、二塁打1を打ちました。ここ5試合は全部フル出場で、全部ヒットが出ています。4打席目ででた1安打がホームランって、やっぱりすごいですね。
「あまりいい形で1打席目から3出打席目まで打てていなくて、何か自分の中でしっくりきていない、うまく形にはまっていない感覚があったので、それが何だろうなと考えながら4打席目を迎えた。その4打席目にようやく自分本来の形というか、自分が思う姿勢で入ることができて、心身ともにバランスを整えていけました」
4番というプレッシャーのかかる打順について「どの打順でも仕事はしなくちゃいけないと個人的には思っています。たまたま今この打順で使っていただいていますけど、自分のやるべきことは打順に関係ないと。チームのチャンスに1本打つってことは大きな仕事なので」と片山選手。続けて「もちろん高揚して入りすぎてしまうことはありますけど、そこはコントロールしないといけないなというのは3日間、4番に使っていただいて感じたことです」とも話しています。
<掲載写真は筆者撮影>