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【神戸市兵庫区】フォトジェニックな近代土木遺産「湊川隧道」2/17、3/16にはコンサートも!

斎信夫(いつき)WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

神戸市兵庫区にある会下山を貫く「湊川隧道」は、日本初の河川トンネルで、貴重な近代土木遺産。毎月第3土曜日に一般公開が行われ、ミニコンサートも度々開催されています。直近では2024年2月17日(土)、3月16日(土)がその開催日。明治時代のレンガの壁が織りなすその空間はとても幻想的でフォトジェニック。その様子を動画と共にご紹介します。なお、2月17日は湊川隧道カフェというイベントも開催されます(記事末尾参照)

「湊川隧道」の入口があるのは、神戸電鉄湊川駅、神戸市営地下鉄湊川公園駅より徒歩約12分のところ。神戸市営地下鉄上沢駅から会下山公園を経由して約17分で行くこともできます。

「湊川隧道」は、貴重な近代土木遺産であることが認められ、2011(平成23)年に土木学会選奨土木遺産、2019(平成31)年に国の登録有形文化財となりました。

この歴史的な遺産の保存と活用に向けて、地域住民を中心とする「湊川隧道保存友の会」が2001(平成13)年に発足。隧道の保存を通じた地域の活性化、魅力発信に取り組んでいます。「湊川隧道」の見学は無料となっていますが、この活動を支える為にも是非募金にご協力を。

入り口付近には、ガイドマップやパンフレット、「湊川隧道」を臨場感ある映像で楽しめるVRコンテンツにアクセスできるQRコード、フォトカードなどが用意されています。

「湊川隧道」に関する展示パネルもあり、その歴史や土木遺産としての価値がどのようなものであるのかを知ることができます。

阪神・淡路大震災と新湊川に関する展示も。

明治半ば頃まで湊川公園から新開地付近を経て市街地中心部に流れていた新湊川は、たびたび大きな水害が発生し、堤防が100mに亘り決壊したことも。そこで、1897(明治30)年、神戸における明治の大土木工事と言われる「湊川の付け替え」が行われ、1901年(明治34)年、近代土木技術を用いた日本最初の河川トンネルが誕生しました。

その後、新湊川トンネルの建設が始まり、2000(平成12)年12月、約100年に亘る河川トンネルとしての役目を終え、現在に至っています。

奥に進んでいきましょう。

トンネルの中ほどには、日本酒「隧 ZUI」が貯蔵されています。「隧 ZUI」は神戸市を中心に販売され、その売上金の一部は「湊川隧道」の保存・活用に使われています。

付け替え工事が行われた当時は、重機などの機械はなく、ノミやツルハシなどを使った人力で作業で行われていました。

レンガの壁も見どころ。トンネルの幅は7.3m、高さは7.7m。馬蹄形断面の煉瓦覆工で、側壁がイギリス積、アーチは長手積。トンネルの底面を逆アーチ型に堀り固めた覆工部分のインバートは花崗岩切石敷となっており、明治時代の建設技術を目の当たりにすることができます。

途中、地下水が染み出しているところがあり、天井からポツポツと水滴が。濡れた足場は光を反射しています。このあたりから幻想的な光景に包まれ、まるで異空間に迷い込んだかのよう。

「湊川隧道」は、全長600mの河川トンネルですが、保存されている区間は350m。そのうち、毎月の一般公開で行けるのは、250mほどのところまでとなっています。ただし、年1回、土木の日(11月18日)前後の日曜日には通り抜けできるイベントを開催。川面を身近に感じられる新湊川親水エリアや湊川隧道下流部を見ることができます。

一般公開で行ける一番奥にたどり着くと、まるでタイムトンネルかのような光景が目に飛び込んできます。

時空を超え、湊川の付け替え工事が行われた明治時代にタイムスリップしそうな光景に圧倒!ここが一番の映えスポットとなっています。

100年以上も前の人々の苦労と知恵に思いを馳せつつ、当時の人々のものづくりのストーリーを体感できる「湊川隧道」。この先も安心、安全な神戸の街が続くよう祈りながらトンネルを後に。

明治時代の高度な土木技術で造られたトンネルを歩きながら、フォトジェニックな光景を楽しめる「湊川隧道」の一般公開は、事前の申し込み等は必要ありません。月1回、公開時間に訪れれば誰でも気軽に見学できます。神戸に残る明治時代の産業遺構を体感しに、ぜひ一度訪ねてみてください。

フォトジェニックな近代土木遺産「湊川隧道」を動画で

入口から奥まで進む様子を、約2分の動画でご覧ください。地下水の雫が落ちる音、雰囲気を感じていただけるようあえてBGMは入れていません。

一般公開・ミニコンサートの開催予定(2024年2月現在)

2024年2月17日(土曜)

松岡万希・楠眞依・菅埜薫によるトランペット、パーカッションとうたの演奏

2024年3月16日(土曜)

吹奏楽団 PASSIONによる演奏

いずれも一般公開は13時から15時。ミニコンサートは13時半から約40分。事前申込は不要です。

ミニコンサート終了までは、ステージの奥には行けません。トンネルをじっくり見学したい場合は、コンサート終了後に行かれることをおすすめします。

2月17日(土曜日)は、湊川隧道カフェも!

2月17日は、東山商店街の山側、マルシン市場内の「marushin 47(よんなな)」にて、湊川隧道カフェというイベントも開催されるようです。時間は10時〜16時。

湊川隧道部が案内する「湊川隧道」と“神戸の台所”市場グルメ食べ歩きツアー

2024年3月2日(土曜)には、神戸を彩る特選プログラム「神戸のとびら」の一環として、湊川隧道の活用を行う湊川隧道部が案内するツアーが開催されます。湊川隧道だけでなく、川の付け替え工事によって誕生した湊川・新開地のまちを案内する有料のツアーで、“神戸の台所”と呼ばれる神戸新鮮市場では、ご当地グルメの試食も!神戸屈指のディープなまちをとことん堪能する面白そうなツアーですね。興味あるかたは是非ご予約を! 詳細・ご予約はこちらから。

基本情報
施設名:湊川隧道
住所:兵庫県神戸市兵庫区湊川町9丁目3−1
アクセス:神戸電鉄湊川駅、神戸市営地下鉄湊川公園駅より徒歩約12分。神戸市営地下鉄上沢駅から会下山公園を経由して約17分。
東山商店街の一番山側の端からは約500m、徒歩約7分。

湊川隧道 公式サイト

WEBクリエイター/旅行ライター・エディター(神戸市)

兵庫県西宮市生まれの神戸育ち。テクニカルライターを経て、1998年より会社を設立しWEBクリエイター、フリーライターとして活動。数々の旅行関連サイトを企画・運営。LINEトラベルjp元編集者兼ライター。沖縄と北海道が大好きで6年半沖縄市に在住。海外は特に台湾が好きで渡航回数10回以上。「週刊日本の島(デアゴスティーニ)」専属ライター&フォトグラファーとして沖縄、兵庫、瀬戸内等の33の島の記事を執筆。こちらでは地元神戸市の魅力を、時には動画を交えてお伝えしていきます。X(旧Twitter)、Instagramでも、神戸の最新情報や記事でのこぼれ話、その他の旅行ネタなども発信。

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