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新人王戦初優勝を飾るのは黒田尭之五段か? 服部慎一郎五段か? 10月3日、決勝三番勝負第1局始まる

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 10月3日。大阪・関西将棋会館において第53期新人王戦決勝三番勝負第1局▲服部慎一郎五段(23歳)-△黒田尭之五段(26歳)戦が始まりました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 振り駒の結果、第1局の先手は服部五段に。後手の黒田五段は横歩取りに誘導しました。

 どちらが三番勝負を制しても、新人王戦では初の優勝となります。

 黒田五段は井田明宏四段、宮田大暉三段、西山朋佳女流二冠、阿部光瑠七段に勝って決勝に進出しました。

 服部五段は横山友紀四段、古賀悠聖四段、佐々木大地七段、齊藤優希三段に勝っています。

 黒田五段は1996年9月26日生まれで、26歳になったばかりです。出身は愛媛県松山市。畠山鎮八段門下で、斎藤慎太郎八段の弟弟子にあたります。

 四段昇段は2019年4月で22歳のとき。棋士番号は318番。昨年度は順位戦でC級1組昇級を果たし、五段に昇段しています。

 今年のABEMAトーナメントではエントリートーナメントを勝ち抜いて出場。藤井聡太竜王を相手に勝利をあげるなどして、その実力を示しています。

 9月29日に予定されていたC級1組・三枚堂達也七段戦は発熱のために延期となりましたが、その後体調も回復。本局は予定通りおこなわれます。

 黒田五段の今年度成績はここまで9勝4敗(0.692)です。

 服部五段は1999年8月2日生まれで23歳。富山県富山市出身で、師匠・中田章道七段、兄弟子・村田顕弘六段も同じ富山県出身です。

 2020年4月、20歳で四段昇段。棋士番号は322です。

 服部五段は昨年の加古川青流戦で優勝を果たしています。今年はABEMAトーナメントで大活躍。過去に1度しか達成されていない「3連投3連勝」を2度も達成するなど、チーム稲葉の優勝に大きく貢献しました。

 公式戦でもハイペースで白星を重ね、9月30日には通算100勝を達成。五段に昇段したばかりです。

 服部五段の今年度成績は28勝8敗(勝率0.778)です。

 全棋士中のランキングで、対局数、勝数は1位、勝率は4位。15連勝は2位です。

 黒田五段、服部五段ともに、どちらも若手実力者と呼ぶにふさわしい強豪。本棋戦初優勝を果たし、新人王となるのはどちらでしょうか。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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