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今週後半から梅雨のような空模様、蒸し暑さが到来

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
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まるで梅雨!?長雨で日照不足 野菜の生育にも影響か

南の海上を前線や低気圧が次々に通過し、東日本の太平洋側と西日本は曇りや雨の日が続き、平年より降水量が多くなりそうです。この傾向はゴールデンウィークにかけても続く予想なので、お出かけ日和の日は少なくなりそうです。一方で、沖縄は梅雨の走りの時期なのですが、来週は本州とは逆に、晴れの天気が続く予想です。これは例年よりも太平洋高気圧の力が強く、沖縄付近を覆う一方で、前線を本州付近まで押し上げているためです。前線と太平洋高気圧の位置だけをみると、まさに梅雨のようなパターンです。

高温、長雨、日照不足が懸念されるので、一時的に野菜の生育に影響が出るかもしれません。農作物の管理にもご注意ください。この春は原料高騰で、加工食品の値上がりが目立ちますが、このような天気が続くと、野菜などの生鮮食品も値上がりするかもしれません。

5月から6月並みの気温に

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夏日になったかと思えば、冬の寒さに逆戻りするなど、4月らしからぬ気温が続いています。何を着たら良いのかわからなくなってしまいますが、この先、4月とは思えない暑さがやってきます。23日(土)以降は、25度前後の日がゴールデンウィークにかけて続く予想です。5月下旬から6月中旬並みの暑さになり、スプリングコートの出番はもう無いかもしれません。むしろ、昼間は、半袖や七分袖が活躍するので、まだ衣替えをしていないという方は、夏服の準備をした方が良さそうです。先週も夏日が続出しましたが、先週の暑さとは質が違います。先週がカラッとした暑さなのに対し、今週末からはムシムシとした暑さになりそうです。朝晩の冷え込みもなく、最低気温も15度以下の日はほぼ無いので、通勤通学の時間帯も薄手の羽織物で十分でしょう。

画像 気象庁1か月予報解説資料を一部抜粋
画像 気象庁1か月予報解説資料を一部抜粋

上記の左図は14日(木)に発表された1か月予報の資料で、地上付近の気圧配置を表しています。太平洋高気圧の中心が日本の東の海上にあって、九州の南西の海上まで張り出しているため、暖かい空気が入りやすい見込みです。上記右図の気温をみても、全国的に平年より暖かい空気に覆われる見込みです。冷たい空気の境目を流れる寒帯前線ジェット気流が、平年より北を流れるためです。

ことしは、桜の開花が早かったり、季節外れの暑さが到来したり、季節の進み方が早くなっているようです。

運動会の練習は熱中症に注意

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上記の図は暖かい湿った空気の流れ込みを表したものです。この湿った空気は例年なら梅雨の時期に流れ込んでくる空気です。この空気が流れ込む来週は、梅雨のような蒸し暑さになる可能性があります。

最近は、5月に運動会をする学校が多く、この時期は運動会の練習の時期です。雨で、気温、湿度が高いなか、体育館で練習をする学校も少なくないと思います。湿気がこもって、熱中症になる可能性があるので、風通しをよくし、水分をこまめに取るなど、熱中症にならないよう、先生方は声掛けをお願いします。

暦の上では4月ですが、6月くらいの空気感だと思って、服装選びもしたほうが良さそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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