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 ド迫力!! 新時代のスポーツ観戦―プロバスケのBリーグ・大阪エヴェッサの新たな取り組みとは!?

土井麻由実フリーアナウンサー、フリーライター
Bリーグ・大河チェアマンを囲む関西5クラブの選手たち

■いよいよ開幕!プロバスケットボールの新リーグ「Bリーグ!」

プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」の開幕まで1ヶ月を切った。「bjリーグ」と「NBL」―二分されていた2つのプロバスケットボールリーグが合体し、野球、サッカーに続く第3のプロ競技団体として、日本のスポーツ界に大きなムーブメントを起こそうとしている。

そもそもバスケットボールの競技人口は世界中で4億5,400万人と、サッカーの2億人、テニスの1億人を抑えてナンバー1だ。日本国内でも競技者登録人口はサッカーの96万人に次ぐ62万人(テニスは46万人。野球は登録制ではないので記録がない)と、実はたいへんな人気スポーツだ。

野球、サッカーとはまた違ったエンターテイメントを提供するべく、バスケットボールの新リーグが立ち上がった。

Bリーグには36クラブが32都道府県に存在し、地域密着で活動していく。9月24日の開幕戦から36クラブを3つのカンファレンスに分け、カンファレンス内で総当りする。そのほか交流戦なども含め、年間60試合を戦う。

Bリーグの説明をする大河チェアマン
Bリーグの説明をする大河チェアマン

大河正明チェアマンが新リーグにこめる思いは「1.世界に通用するプレーヤーの輩出、2.エンターテイメント性の追求、3.夢のアリーナの実現」だという。先のリオ五輪では、日本の女子バスケットボールは20年ぶりに8強入りを果たした。しかし男子は残念ながら世界最終予選で敗れ、オリンピック出場は叶わなかった。「選手強化策の実践の場としてのリーグでもある」と大河チェアマンは話す。

「応援しているチームが負けたら悔しいが、それでも観て楽しかったと言ってもらえるように。そんな会場にしたい」と語る大河チェアマン。実は一部(B1)の18クラブは5,000人規模のアリーナでホームゲームの8割を開催するという条件が課せられている。「ホームタウン、ホームアリーナを大切にしたい」との強い思いがある。

また、それぞれのクラブでユースチーム(U―18、U―15)を直轄で運営し、将来の日本代表を目指せる選手を育成するという青写真も描いている。Bリーグの活性化が子供たちの競技の選択肢を増やし、それによってクラブにとっても有望な人材を発掘するチャンスが広がる。

■いち早く本拠地が決定した大阪エヴェッサ

関西には5つのクラブが存在する。大阪エヴェッサ滋賀レイクスターズ京都ハンナリーズバンビシャス奈良西宮ストークスだ。この中から大阪エヴェッサを紹介する。

関西5クラブの代表と選手たち
関西5クラブの代表と選手たち

大阪エヴェッサはbjリーグの初代王者であり、初年度から3連覇を達成したクラブだ。バスケットボールスクールやチアスクール、小中学生を対象としたエヴェッサキャラバン活動を中心に、地域のスポーツ環境の発展に貢献している。

昨年4月、大阪市と10年間の定期賃貸借契約を結び、此花区の舞洲にある府民共済SUPERアリーナを本拠地とした。これまでは試合ごと、練習ごとに会場を変わっていたが、いち早く本拠地を決定したことで、すんなりと新リーグへの参入も叶った。

■チームラボとのコラボによる「舞洲エヴェッサパークプロジェクト」

そこで立ち上げたのが「舞洲エヴェッサパークプロジェクト」だ。舞洲を「バスケの聖地」および「大阪エヴェッサのホームタウン」とし、大河チェアマンが掲げる「エンターテイメント性の追求」、「夢のアリーナ」を具現化するプロジェクトだ。

大阪エヴェッサとチームラボ…夢のコラボだ
大阪エヴェッサとチームラボ…夢のコラボだ

アメリカのNBAにも引けを取らない華やかでワクワクする演出を目指して、まず取り組んだのが「ウルトラテクノロジスト集団・チームラボ」とのコラボレーションだ。今やその独自の発想で展覧会、アート展で数々の成功を収めているチームラボはこの夏、京都・下鴨神社での「糺の森の光の祭」でも、音と光の演出で世界中から多くの注目を集めた。

そのチームラボが音と光の総合演出をプロデュース。スポーツとアートの融合となる4Dステージが、アリーナに一体感を生み出す。「光」「音」「人の参加」「時間軸」という考え方の4Dステージは、観客が参加することで3Dを超えた体験ができるという意味を表している。参加することによって、その時々で見えるもの、見せられるものが変わっていく。

■バスケのコートにプロジェクションマッピング!?スマホで応援!?

迫力ある音と光の演出
迫力ある音と光の演出

アリーナにプロジェクターを常設しているのは日本初だ。国内製最大出力2万ルーメンのプロジェクター4台にムービングライトや大型LEDで演出する。またコート全体にプロジェクションマッピングを投影するというから驚きだ。それも季節ごとに変わる予定だという。

応援に参加するには、事前にスマートフォンのアプリをダウンロードしておく。これも日本初の企画コンテンツである。スマホを振ることでLEDビジョンに特別な演出が表示される。このように試合の体験価値を高めることで「応援したい」という気持ちが増幅し、よりチームへの愛着が深まるというわけだ。バスケットゲームの、いや、スポーツの新たな楽しみ方ができそうだ。

■「舞洲エヴェッサパーク構想」

舞洲エヴェッサパーク構想
舞洲エヴェッサパーク構想

また「舞洲エヴェッサパーク構想」として、クラブハウスやトレーニングルーム、エヴェッサ本社機能などエヴェッサのすべてを舞洲に集約するほか、アリーナ周辺にはフードコートの展開、バスケの聖地にふさわしいイベントの開催、そして駐車場の増設など、「舞洲に行ってみたい」と思わせる空間づくりを打ち出している。

大阪エヴェッサの開幕戦の相手はレバンガ北海道。9月24日は舞洲の府民共済SUPERアリーナで、これまでにないスポーツ観戦を体験してみるのもおもしろい。

Bリーグで関西を盛り上げる5クラブの選手たち
Bリーグで関西を盛り上げる5クラブの選手たち
フリーアナウンサー、フリーライター

CS放送「GAORA」「スカイA」の阪神タイガース野球中継番組「Tigersーai」で、ベンチリポーターとして携わったゲームは1000試合近く。2005年の阪神優勝時にはビールかけインタビューも!イベントやパーティーでのプロ野球選手、OBとのトークショーは数100本。サンケイスポーツで阪神タイガース関連のコラム「SMILE♡TIGERS」を連載中。かつては阪神タイガースの公式ホームページや公式携帯サイト、阪神電鉄の機関紙でも執筆。マイクでペンで、硬軟織り交ぜた熱い熱い情報を伝えています!!

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