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岩田&島本の左腕競演、陽川&江越のソロ競演で完封勝ち!《6/27 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
先発の岩田投手(左)とリリーフした島本投手(右)。ともに好投でアピールです。

曇り空ながら雨の心配はなかった27日の阪神鳴尾浜球場で、ウエスタン・阪神-オリックス戦は無事に行われました。25日の広島戦(甲子園)を雨で流したため、この日に回った岩田投手が先発。4回までに毎回の8三振を奪って、しかもパーフェクトピッチングを披露しています。

奪三振の多い試合で、その後の3投手の計6個を加え、全部で14三振を奪いました。ちなみに阪神打線も毎回の10三振を喫しており、両チーム合わせて24三振。1つも三振がなかったのは17イニング中、5回表だけってことですね。

なお阪神打線は、4回と8回以外すべてヒットが出ているのに、得点は江越選手と陽川選手のソロによる2点のみでした。でも投手陣が三塁を踏ませることなく投げ切って完封勝利!結果と試合経過からご覧ください。

《ウエスタン公式戦》6月27日

阪神-オリックス 15回戦 (鳴尾浜)

オリ 000 000 000 = 0

阪神 010 000 10X = 2

◆バッテリー

【阪神】○岩田(3勝4敗)‐島本-伊藤和‐Sメンデス(2敗16S) / 坂本

【オリ】●山田(3勝6敗)(6回)-沢田(1回)-小林(1回) / 飯田-伏見(8回裏)

◆本塁打 江越2号ソロ(山田)、陽川10号ソロ(沢田)

◆二塁打 園部

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]一:西岡  (3-3-0 / 0-1 / 0 / 0) .394

2]遊:植田  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .217

3]三:キャン (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .317

4]右:陽川  (4-1-1 / 3-0 / 0 / 0) .272

5]左:狩野  (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .270

〃走左:緒方 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .222

6]中:江越  (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .086

7]二:森越  (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .210

8]捕:坂本  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .261

9]投:岩田  (2-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .143

〃投:島本  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .000

〃投:伊藤和 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打:西田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .263

〃投:メンデ (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

岩田  5回 68球 (2-8-1 / 0-0 / 4.00) 145

島本  2回 37球 (1-3-1 / 0-0 / 1.64) 144

伊藤和 1回 20球 (1-1-0 / 0-0 / 0.00) 145

メンデ 1回 28球 (1-2-0 / 0-0 / 3.03) 154

<試合経過>

先制ソロの江越選手。すみません!打席の写真がなくて…。試合後の1枚です。
先制ソロの江越選手。すみません!打席の写真がなくて…。試合後の1枚です。
陽川選手のHRは撮れました。といっても既に三塁を回ったところですが。
陽川選手のHRは撮れました。といっても既に三塁を回ったところですが。
ベンチ前でみんなとタッチ。中ほどにいる植田選手の顔が可愛いでしょう?
ベンチ前でみんなとタッチ。中ほどにいる植田選手の顔が可愛いでしょう?

まず攻撃から。1回は西岡のショート内野安打と植田の中前打で無死一、二塁とします。ここで重盗を企てるもキャンベルは空振り三振、西岡が三塁で刺されて併殺(先の走者がアウトだったため、植田に盗塁は記録されず)。2死二塁で陽川も空振り三振、無得点でした。2回に1死から江越がレフトへ2号ソロを放って1点先制!2死後に坂本が相手エラーで出塁し、岩田の左前打と西岡の四球で満塁としますが追加点なし。3回は先頭のキャンベルじゃ左前打して暴投で二塁へ進むも、後続を断たれました。4回は三者凡退です。

5回は西岡がまたショート内野安打、植田が送り、キャンベルは四球を選んで1死一、二塁としますが、陽川は見逃し三振に倒れるなど0点で終了。6回は1死から森越が四球、坂本は左前打で1死一、二塁となり、島本はスリーバント失敗。続く西岡に左前打が出たものの、前進守備を敷いていたレフトからボールが返ってきて森越は三塁でストップ。植田は遊ゴロで3者残塁でした。

しかし7回、1死から今度は陽川がライトへ10号ソロ!ようやく1点を追加します。続く狩野が四球を選ぶも、代走の緒方は二盗失敗。江越は三振で1点のみ。8回は三者凡退で攻撃を終えています。

8回は伊藤和投手が1安打無失点。3人で片づけて
8回は伊藤和投手が1安打無失点。3人で片づけて
9回はメンデス投手で完封リレー!16セーブです。
9回はメンデス投手で完封リレー!16セーブです。

次に投手陣。先発の岩田はこの日が復帰戦だった吉田正から空振り三振を奪うなど三者凡退の立ち上がり。2回は4番から3連続三振(園部と宮崎は空振り、杉本は見逃し)。3回、4回はともに2奪三振と圧巻のピッチングを披露して、ここまでパーフェクト!交代予定の5回を迎え、先頭の園部に初ヒットとなる左前打を許しながらも、宮崎は遊ゴロ併殺打で2死走者なし。四球と宗のショート内野安打で一、二塁としますが飯田は初球を打たせて遊ゴロ。

2人目は島本。6回は1三振を奪って三者凡退、7回も簡単に2死を取りましたが、宮崎に左前打され坂本がマウンドへ。続く杉本に死球を与えてしまったものの宗は見逃し三振!8回は伊藤和が登板して、1死から途中出場のジョージに右前打されるも坂本が二盗を阻止。代打・吉田雄は見逃し三振に仕留めて無失点でした。9回のメンデスは2番・小田に7球、伏見には13球も粘られながら2死を取り、園部には左翼線二塁打を浴びますが、宮崎は空振り三振で試合終了です。

「内容も結果もよし」と絶賛の岩田

掛布監督は試合後、岩田投手について「よかったねえ!真っすぐと言い、スライダーのキレと言い。本人も手応えがあったでしょう。ほぼ完ぺきだったよね」と絶賛でした。中でも曲がりの大きいスライダーについて「左打者より右に対して使えるんじゃない?想像以上の出来だった」と高く評価しています。

先発の岩田投手。5回2安打8三振で無失点でした。
先発の岩田投手。5回2安打8三振で無失点でした。
岩田投手からの牽制を受ける一塁の西岡選手。大阪桐蔭コンビでした。
岩田投手からの牽制を受ける一塁の西岡選手。大阪桐蔭コンビでした。

1軍昇格の最有力かと聞かれ「岩田、島本だよね、今のところ。あと横山。島本もいい刺激になってるかな。そういう意味では、きょうの岩田のピッチングは大きかったと思うよ。内容、結果、すべてよかった!(先発予定だった25日が)雨で中止になり、このチャンスを逃したくないって、本人も強い気持ちを持っていたはず。あれだけのピッチングができたのはよかったね」と掛布監督。

次に岩田投手の話をご紹介しましょう。25日の広島戦(甲子園)が雨天中止となったため、きのうは2日間スライドしての先発です。その前が14日の中日戦(ナゴヤ)で、6回を投げ散発3安打2四球で1失点という内容でしたが、なんと毎回の12奪三振!今回の8個と合わせて、2試合11イニングで20奪三振ってすごいですね。

「この間の中日戦から、いい感覚が出てきました。きょうもそれをしっかり出せたと思います」と岩田投手。以前とどう変わったのかと問われると「いろいろ、ありすぎて言えないですけど…。毎試合、試行錯誤していたので」とのこと。強い真っすぐとスライダーでの攻めが、とてもシンプルに見えました。「真っすぐがよくないと変化球も生きてこないので。きょうは真っすぐでもしっかり腕が振れて、空振りが取れ。これを継続していきます」

1軍の中継ぎのつもりで全力投球!

島本投手は6回から2イニングを1安打3三振で無失点。
島本投手は6回から2イニングを1安打3三振で無失点。

本来は、この日が先発の予定だった島本投手は、次回まで間隔が空くため2イニングを投げたようです。「きょうは登板する前に “真っすぐを多めで” と坂本に言ってあったんです。中継ぎで、1軍で投げているイメージでいきました」と振り返り、その結果は?と聞いたところ「低めにボールが集まっていたのでよかったです。あとは、もうちょっと強い真っすぐを、もっともっと求めていきたい。変化球もいいと思うので」と言います。

2イニング目の7回に2死を取ってからヒットを打たれた際、マウンドへ行った坂本選手はどんな話を?「ああ、あれは何も話してないです。『一応、間を取りに来ました』って言うから、来なくていいよと(笑)。その次はデッドボールになったけど、次の左バッターを抑えられたのでよかったですね。そこは確実に抑えなあかんとこでしたから」

島本投手の昇格アピールは継続中。そろそろ…と思わずにいられませんね。
島本投手の昇格アピールは継続中。そろそろ…と思わずにいられませんね。

岩田投手の好投については「めちゃくちゃよかったですよね。三振8個?でも意識はしなかったです」と島本投手。意識はしないけど、気にはなった?「いえ、それもないですね。自分も頑張ろう、自分のピッチングをしようと思いました」と言いながら、私のスコアブックを見て「MAX144キロですか。もうちょっと出したかったですねえ。いいとこ見せたい。スピードガンも(高い数値が)出ていたらアピールの1つになると思うので」と少し悔しそうでした。

悔しいといえば、送りバント失敗も?「あそこは決めたかったですねえ」。次はぜひ1球で仕留めてください!先発が続いていた中でのリリーフ登板でしたが「きょうはファームだけど、1軍で投げている感じで、全力でいきました!先発も中継ぎも両方できるならチャンスが広がると思います」と、とても前向きにコメント。1試合、1イニング、1球も無駄にはしない、という意気込みが伝わってきます。

上昇気流に乗る?江越2号、陽川10号

続いて、アベックアーチの2人の話。まず江越選手は「しっかり踏み込んで打てました。今まで開きが早くなってファウルになったりとかしていたのが、しっかり踏み込めたので、ちょっと詰まったけど切れずに行ったと思います」と第2号の先制ソロホームランを振り返りました。ライナー気味に飛んでいった一発です。

試合後、坂本選手と何か話しながら引き揚げる江越選手(右)。
試合後、坂本選手と何か話しながら引き揚げる江越選手(右)。

23日の広島戦(甲子園)で1号が出てから、上向きですね。「自分でも、バッティング練習やっていて少しずつ変わってきているかなというのはあります」。空振りでなく、ファウルにするところも見られたような?と聞いたのですが、そこは「1軍ではファウルにしても終わりなので、1発で捉えるにはどうすれいいかと練習しています」とのこと。そして「しっかりアピールしていきたい」と気合を入れ直しました。

練習を終えて戻ってくる陽川選手。東マネージャーとグータッチ。
練習を終えて戻ってくる陽川選手。東マネージャーとグータッチ。

陽川選手は10号、去年よりちょうど2か月早いペースです。ただし本人は「前の3打席が三振だったので…」と浮かない様子。しかもライト方向へのホームランでしょう?「この前もそうでしたよ」。確かに18日のオリックス戦(豊中)で打った9号もライトへ打っていますね。「真っすぐ1本に絞って右方向、ダメでしょ。まあ外よりでしたけど」と苦笑いです。

でも、カウント3-0から「ファウルにせず一発でいけたのはよかったですね」と少し前向きな表情が見られてホッとしました。打って、打って、打ちまくって1軍へ行きましょう!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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