投手コーチは元投手…ではないこともある
現在のメジャーリーグには、各球団1人、計30人の投手コーチがいる。そのうち、29人は元投手だ。ミルウォーキー・ブルワーズのデレク・ジョンソンはプロで投げてはいないが、大学を卒業するまでは左投手だった。
例外は、ボストン・レッドソックスのデイナ・ラバンジーだ。選手時代はレッドソックス傘下のマイナーリーグで、捕手として投手の球を受けた。その後、レッドソックスのブルペン捕手、スカウト、ブルペン・コーチを経て、昨年11月、投手コーチに就任した。
数は少ないものの、元投手ではない投手コーチは、ラバンジーが最初ではない。レッドソックスでは、1994年のマイク・ロークもその一人。元捕手のロークは、レッドソックス以外の数球団でも投手コーチを務めた。1952~53年にレッドソックスの投手コーチだったビル・マッケニーは、内野手としてメジャーリーグでプレーした。
また、元捕手のデーブ・ダンカンは、クリーブランド・インディアンズ、シアトル・マリナーズ、シカゴ・ホワイトソックス、セントルイス・カーディナルスの4球団で、30年以上にわたって――その大半はトニー・ラルーサ監督の下で――投手コーチを務めた。現在は、ホワイトソックスのフロントにいて、ピッチング・コンサルタントの肩書きを持つ。
ただ、ダンカンの息子、シェルビーとクリスは父と同じくメジャーリーガーになったが、ポジションは捕手でも投手でもなく、外野両翼と一塁を守った。シェルビーは今シーズン、アリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下のAA、ジャクソン・ジェネラルズで指揮を執っている。父はマイナーリーグでもメジャーリーグでも、監督の経験はない。
なお、ブルペン・コーチも元投手が多いが、投手コーチほどではなく、現在の30人のなかにも元捕手が何人かいる。