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ストローマンを加え、ヤンキースのローテーションは完成!? ここ3年の防御率は5人中4人が3.50未満

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーカス・ストローマン Sep 23, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1月11日、マーカス・ストローマンは、ニューヨーク・ヤンキースのキャップをかぶり、ピンストライプのユニフォームを着た合成写真をインスタグラムにアップし、プロフィールの写真も同じものに変更した。

 MLB.comのマーク・フェインサンドらによると、契約は2年3700万ドル。2025年に140イニング以上を投げると、2016年2026年は年俸1800万ドルの選手オプションになるという。

 このままいくと、ヤンキースのローテーションには、ゲリット・コールカルロス・ロドーン、ストローマン、ネスター・コーテズクラーク・シュミットが並ぶだろう。来シーズンの年齢(6月30日時点)は、コールとストローマンが33歳、ロドーンが31歳、コーテズとシュミットはまだ20代だ。

 シュミット以外の4人は、ここ3シーズンのトータルで防御率3.50未満を記録している。コールが591.0イニングで防御率3.11、ロドーンが375.0イニングで防御率3.38、ストローマンが454.1イニングで防御率3.45、コーテズは314.2イニングで防御率3.09。ストローマンの奪三振率は7.84と低いものの、ゴロを打たせる投球を持ち味とする。

 この防御率からすると、優れたローテーションに思える。シュミットは、初めてローテーションに加わった2023年に、先発32登板とリリーフ1登板で159.0イニングを投げ、防御率4.64を記録した。

 ただ、昨年、ロドーンとコーテズは、故障に見舞われ、スタッツも芳しくなかった。それぞれ、64.1イニングで防御率6.85と63.1イニングで防御率4.97だ。ストローマンの防御率も、その前の2シーズンと比べると高く、先発25登板とリリーフ2登板の136.2イニングで3.95だった。この3人のうち2人が好投すれば、エースのコールとともに三本柱が形成されるが、現時点では、やや不安が拭えない。

 ここから、さらに先発投手を手に入れ、シュミットをロング・リリーバーとスポットの先発投手として起用する可能性も、皆無ではないような気がする。

 FA市場に出ているブレイク・スネルジョーダン・モンゴメリーを迎え入れるには、大枚を要する。むしろ、トレードによる先発投手の獲得のほうがありそうだ。その候補には、ディラン・シース(シカゴ・ホワイトソックス)、ヘスス・ルザード(マイアミ・マーリンズ)、シェーン・ビーバー(クリーブランド・ガーディアンズ)らがいる。

 昨年、ヤンキースは、7年ぶりにポストシーズン進出を逃した。1995年以降、ポストシーズンにたどり着けなかったのは5度目だが、それが続いたのは、2013~14年しかない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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