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横浜高出身ルーキー増田珠が本塁打!熱男な先輩と「遠距離アベック弾」決めた

田尻耕太郎スポーツライター
熱男ならぬ「マスオー!」ポーズをばっちり決めた増田(筆者撮影)

4番・大本が豪快一発「バリー・ボンズ!」

8月22日、福岡ソフトバンクホークスの3軍は四国アイランドリーグとの定期交流戦で徳島インディゴソックスと対戦した。

【8月22日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 222人】

徳島     001050000 6

ソフトバンク 202000000 4

<バッテリー>

【IS】○相澤、三木田、伊藤、S鎌田――垂井

【H】●吉住、齋藤、渡邉雄――堀内

<本塁打>

【H】大本、増田 【IS】球斗

<戦評>

 ソフトバンクは中軸打者に本塁打が出た。初回2死三塁から4番・大本が右翼へ特大の一発。味方ベンチからも「バリー・ボンズ!」と声が飛ぶほど豪快なアーチを描いた。3回には3番・増田が左翼へ2ランを放って追加点を挙げた。

 先発の吉住は序盤こそ粘ったが、5回に2番・福田の2点三塁打などで追い上げられると、6番・球斗に勝ち越し2ランを浴びて試合をひっくり返された。

 ソフトバンク3軍は5連敗。(了)

増田珠、本塁打よりもこだわっているコト

打率3割をキープ(筆者撮影)
打率3割をキープ(筆者撮影)

 

 ルーキーの増田珠内野手がプロ入り後2本目の本塁打を放った。

 3回1死二塁。力みなくバットを振り抜いたが、打球はぐんぐん伸びて左翼フェンスを越えていった。笑顔でホームイン。チームメイトの出迎えに「やりますよ、やりますよ」と言いながら、一塁側のスタンドに向かって「熱男」ならぬ「マスオー!」ポーズを決めてみせた。

 また、この日、東京ドームの1軍戦では「憧れの先輩」である松田宣浩も本塁打を放った。東京、筑後とかなりの遠距離だが、嬉しいアベック本塁打を記録した。

 増田は6月15日、韓国遠征中のKIA戦で右中間へ“1号”を放って以来だった。「夏場になって体重が落ち気味なんです。理想は85kgだけど、今は70kg台」。昨年、横浜高校の主軸として、神奈川県大会では新記録の4試合連発、同大会タイ5本塁打を記録して甲子園出場の原動力となってみせた。

力みなく、バットを振りぬく

 しかし、増田は自身を中距離打者タイプという。「本塁打を意識し過ぎると打撃が崩れる」と自覚する。

 高校までは金属バットを使用していたためにテイクバックを大きくとってボールに衝突させるイメージで打っていたが、木製バットを使用するプロでは力まずにバットを振り抜く打撃スタイルを理想としている。この日も本塁打よりも「打率3割をキープできました?」と気にしていた。4打数1安打で打率.302。なんとか持ちこたえた。

「4打数1安打だと落ちてしまう。2安打できればいいけど、1四球が大事になる。1年目から打率3割以上を残すことが目標なので、しっかりこだわりたい」

三塁守備への適応力

 また、プロ入りから挑戦している三塁守備もずいぶん様になってきた。この日も三塁線寄りの打球を処理し、三塁走者を上手くけん制しながら一塁へ送球するプレーがあった。とても自然な動きだった。

 増田と同様に、高校まで外野手でプロ入団後に三塁手に挑戦したのが、上林誠知だった。しかし、上林は守備で大混乱して打撃にも影響。ルーキーイヤーは三軍で打率.284に終わっている。結局、2年目から本職の外野に再転向して、ウエスタン・リーグで打率.343(首位打者)とブレイクして1軍定着への足掛かりとした。

 その意味では増田の方が三塁守備にも上手く適応してみせている。「不器用なんですけどね(笑)」。右打ちの強打の内野手育成はチームの必須課題だ。増田の成長はソフトバンク常勝に欠かせないピースとなる。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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