鈴木誠也のチームメイトのうち、この夏のトレードで放出されそうなのは…
昨年の夏、シカゴ・カブスは、トレード市場で売り手に回り、FAまで数ヵ月のアンソニー・リゾー(現ニューヨーク・ヤンキース)やクリス・ブライアント(現コロラド・ロッキーズ)、ハビア・バイエズ(現デトロイト・タイガース)をはじめ、数多くの選手を放出した。昨オフにマーカス・ストローマンや鈴木誠也を迎え入れたことからわかるように、数年後のポストシーズン進出をめざす再建期に入ったわけではないが、この夏も、カブスは売り手として動くだろう。勝率は辛うじて4割台に過ぎず、地区首位とワイルドカード3番手のどちらにも、10ゲーム以上の差をつけられている。
今オフにFAになる選手は、すでに売り場に並んでいると言ってもいい。なかでも、捕手のウィルソン・コントレラスとリリーフ投手のデビッド・ロバートソンは、人気を博しそうだ。2人とも、実績があるだけでなく、今シーズンは好調。強打のコントレラスは、13本のホームランを打っていて、出塁率は.400に達し、OPSは.900を超える。守備には難があるものの、DHとしても通用するレベルだ。ロバートソンは、クローザーとして防御率1点台を記録している。その前に投げているマイケル・ギブンスも、防御率は3点台半ばながら、奪三振率11.97は僅差でロバートソンを凌ぐ。
他にも、今オフにFAの選手はいる。ただ、先発投手のウェイド・マイリーとドルー・スマイリーは、揃って故障者リストに入っている。動きがあるとすれば、復帰後だろう。また、内野手のアンドレルトン・シモンズは、出場機会が少ないとはいえ、OPSは.420に届いていない。これでは、守備を考慮しても、買い手を見つけるのは難しい。
FA直前ではない選手――獲得する球団からすると、数ヵ月のレンタルには終わらない選手――では、外野手のイアン・ハップと先発投手のカイル・ヘンドリクスが、他球団のターゲットになるはずだ。ハップは、選球眼がよく、今シーズンはレフトを定位置としているが、センターも守れる。ここまでの出塁率.386とOPS.853は、カブスで100打席以上の13人中、コントレラスに次いで2番目に高い。ホームランは8本。FAになるのは、来シーズンの終了後だ。ヘンドリクスは、昨シーズンに続き、今シーズンの防御率も4点台後半だが、その前の5シーズン(2016~20年)は、いずれも防御率3.50未満だった。4年5550万ドルの契約は来シーズンまで。その先の2024年は、1600万ドルの球団オプションだ。2人の場合、カブスがこの夏に手放すかどうかは、交渉相手の球団が提示する見返り次第だろう。ここで放出しなくても、売る機会はまだ残っている。今オフと来夏のトレード市場だ。
外野手のジェイソン・ヘイワードも、FAになるのは来オフだが、こちらは、トレードよりも解雇の可能性のほうが高い。ジャスティン・アップトン(現シアトル・マリナーズ)やロビンソン・カノー(現サンディエゴ・パドレス)らと、同じパターンだ。
なお、同じ外野手で、先月10日にDFAとされた――40人ロースターから外された――クリント・フレイジャーは、ウェーバー公示を経て、AAA降格を受け入れた。そこで、ジャクソン・フレイジャーとして、出直しを図っている。クリントはファーストネーム、ジャクソンはミドルネームだ。