今年初の熱帯低気圧が発生へ、台風1号になる可能性は?
低圧部が熱帯低気圧へ変わる見込み
タイトル画像にある通り、現在、フィリピン付近に今年4個目の低圧部が発生しています。(関連記事1、関連記事2)
低圧部とは、周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、ある程度中心付近が推定できるようになると熱帯低気圧に名前が変わります。
気象庁の予想天気図によると、発生している低圧部は、あす19日(日)からあさって20日(月)にかけて、フィリピンに沿うように東海上をゆっくりと北上し、あさって20日(月)午前9時までには熱帯低気圧に変わる予想です。(予想天気図中のTDマーク)
もし熱帯低気圧に変われば、今年初の熱帯低気圧で、今年初の台風のたまごの発生ということになります。ではもっと発達して台風1号になることはあるのでしょうか。
海水温の低い海域へ、北からは寒気
上図は気象庁発表の海水温の状況です。
熱帯低気圧が北上する予想のフィリピン北部の東海上は、海水温が26度から27度くらいで、台風が発生する条件としては、ギリギリの海水温の高さとなっています。
しかも北緯20度付近では25度前後まで下がっており、さらに北からは台風の発生にとってはマイナスとなる乾いた寒気も南下してくるため、北緯20度付近では台風へ発達する可能性はかなり小さいと思われます。
ただフィリピンの東海上を沿うように北上している段階で、早めに熱帯低気圧に変われば、その後、台風へ発達する可能性も絶対にないとは言い切れません。
ただもし台風1号になったとしても、北緯20度を越えて、沖縄方面へ北上する可能性はほとんどありませんが、北から張り出す高気圧と熱帯擾乱との間で、気圧の傾きが大きくなり、先島諸島では強風や高波が出るおそれはありますので、念のため、今後の動向にご注意ください。