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フィリピン沖に低圧部が発生、発達はあるのか?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

低圧部が発生、フィリピン方面を指向か

天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
天気図の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

気象庁の予想どおり、フィリピン沖にあった巨大な雲域付近で、きょう16日(木)午前3時に低圧部が発生しました。今年に入ってから4個目の低圧部の発生です。(関連記事

低圧部とは、周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、ある程度中心付近が推定できるようになると熱帯低気圧に名前が変わります。

気象庁の予想天気図によると、低圧部は熱帯低気圧に変わることなく、西から北西方向へ進み、あさって18日(土)午前9時には、フィリピンの南部付近へ近づく見込みです。

その後の種々の計算をみると、フィリピン付近を北上しつつ、低圧部としては認識できないような状態となり、消滅していく計算が多く、今年4個目の低圧部も熱帯低気圧や台風1号に発達しないまま、姿を消していく可能性が高いものと思われます。

ただアンサンブル予報の中には、熱帯低気圧とみられる状態に発達し、北上する計算も存在します。

アンサンブル予報の一部には熱低として北上も?

アンサンブル予報の一部(ウェザーマップ)
アンサンブル予報の一部(ウェザーマップ)

上図は気象庁が計算しているアンサンブル予報の一部で、フィリピンのすぐ東海上を熱帯低気圧と思われる状態で北上し、週明け20日(月)午前9時には北緯20度付近に中心が到達する予想です。

ただこのような予想は種々の計算の中のごく一部で、しかも北緯20度付近まで北上しても、冷たい海面や北からの寒気の影響で、ほぼ消滅する計算となっていますが、低圧部からはやがて熱帯低気圧や台風が発生することも多いため、今年初の熱帯低気圧が発生するかなどを含め、動向に注目したいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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