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前日に移籍してきたばかりの選手が最初の試合で打点を挙げ、チームは1対0で勝利を収める

宇根夏樹ベースボール・ライター
ラモン・ローレアーノ Jul 26, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月8日、菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)は、クリーブランド・ガーディアンズを相手に7イニングを投げ、1点しか取られなかった。

 だが、ブルージェイズは0対1で敗れ、菊池には黒星がついた。

 2回裏、ガーディアンズは、4番のオスカー・ゴンザレスの内野安打に続き、5番のラモン・ローレアーノが二塁打を打った。ローレアーノの打球は三塁線を破り、ゴンザレスは二塁と三塁を回ってホームインした。

 ローレアーノがガーディアンズの選手としてプレーするのは、この試合が初めてだった。8月5日にオークランド・アスレティックスがDFAとしたローレアーノに対し、7日にガーディアンズが獲得の名乗りを上げた。

 ローレアーノは、俊足と外野の守備を売りとしてきた選手だ。今シーズンは、メジャーリーグ6年目。最初の4シーズンは、313試合で打率.263と.335、OPS.800ながら、ここ2シーズン――移籍するまで――は、158試合で打率.212と出塁率.285、OPS.656に終わっていた。

 関連は不明ながら、この2つのスパンの間には、禁止薬物の使用による80試合の出場停止を科された。ホームラン1本当たりの打数は、処分を挟み、22.7打数(1114打数/49本塁打)→30.1打数(571打数/19本塁打)と推移している。

 ESPNスタッツ&インフォによると、そのチームの選手として初めて出場した試合で打点を挙げ、チームに1対0の勝利をもたらしたのは、2018年にメジャーデビューした時のローレアーノ以来だという。

 ローレアーノは、2018年8月3日にアスレティックスの選手としてデビューし、0対0の13回裏、2死一、二塁の場面でサヨナラ・ヒットを打った。

 2018年8月3日から2023年8月8日までの5年間に、ローレアーノが2度、他の選手は皆無、ということだ。1度目も2度目も、その試合でローレアーノが打ったヒットは1本だった。

 ちなみに、この2試合を含め、ローレアーノが出場し、チームが1対0で勝利を収めたのは、6試合。その1試合目と6試合目だけでなく、4試合目の2019年9月28日も、ローレアーノは打点を挙げている。この試合も1安打。3回表にホームランを打った。

 ガーディアンズは、借金を抱えているものの、ア・リーグ中地区の2位に位置する。8月8日の白星――と地区首位にいるミネソタ・ツインズの黒星――により、両チームの差は4.5ゲームに縮まった。

 2018年のアスレティックスは、ローレアーノが出場した最初の8試合とも、勝利を収めた。この年、ローレアーノの出場48試合は、32勝16敗。アスレティックスは、ワイルドカードでポストシーズンへ進んだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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