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何より大切なのは「選手のプロ意識」。前園真聖が語る「Jリーグ開幕とBリーグ開幕の違いと共通点」

浅野祐介ウォーカープラス編集長
(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

Bリーグ、開幕。9月22日、東京・国立代々木競技場第一体育館で男子プロバスケットボール「Bリーグ」の開幕戦が開催された。開幕戦のカードはアルバルク東京vs琉球ゴールデンキングス。LEDを駆使した斬新な会場演出やアーティストによるパフォーマンスなど、豪華なオープニングセレモニーを経て、幕を開けた一戦は、アルバルク東京が琉球ゴールデンキングスを80-75で下し、“歴史的勝利”を挙げた。

「皆さん、試合を楽しんでいただけましたか? 皆さんで、Bリーグを世界のトップクラスのリーグに育てていってください。将来、世界で一番強いNBAに日本の選手をいつも5人くらい送り込んでいるときがきたら、Bリーグは世界で力のあるリーグになる。そのためにはパワーもエネルギーもいります。皆さん、力を貸してください。アリーナで選手を叱咤激励してください。これからがスタートです。皆さんの厳しい目で、このBリーグの成長を心から見守ってほしいと思います。今日は本当にありがとうございました」

開幕戦終了後、Jリーグ初代チェアマンであり、日本バスケットボール協会の改革を主導する特別チーム(タスクフォース)のチェアマンを務めた川淵三郎氏はコート上で来場者にこう言葉を投げ掛けた。

1993年のJリーグ開幕から23年。日本に新しい「男子プロバスケットボール」リーグが誕生した。

開幕戦後の会見で川淵氏は「周りの方々のバックアップがなかったら開幕戦の成功はなかった」と周囲への感謝の言葉を述べ、「選手自身が技術的なレベルを上げて、『世界に追いつくんだ』となって、世界レベルに追いつかない限り、成功はおぼつかない」とコメント。「今日の開幕戦に点数を付けるとしたら?」という、B.LEAGUE特命広報部長の前園真聖氏からの質問には、「難しい質問だね」と前置きしながらも、「90点をあげてもいい。こういうところでの90点は、かなりの高得点です。だが、まだまだ完璧ではないので、日本のバスケットの質をさらに上げていくために、みんなで努力していきましょう」と答えた。

開幕戦を会場で見守った前園氏に試合後、話を聞いた。

ーー開幕戦を観戦して率直な感想はいかがですか?

「まずは試合内容、試合の質が高かった。途中で点差が離れてしまい、点差が開くと見ている人も寂しい感じになるのがバスケットにはあるので、その点を心配していましたが、その後、非常に接戦になって、最後までどっちが勝つかわからないような展開になったので、盛り上がって本当に良かったなと思います」

ーーJリーグ開幕の時と似ているところ、違っているところはありましたか?

「バスケットボールにはサッカーにはないエンターテインメント性がありますね。ハーフタイムやクォーターごとの演出、LEDコートの演出など、そういったところはサッカーにはできないことで、ああいうところもバスケの良さだと思うのと、応援もファンの方が一体になって一緒に盛り上がるところ、これをバスケットボール、Bリーグの強みとして、これからもどんどんどんどん各チームが盛り上がってもらえたらなと思います」

「Jリーグ開幕とは、スポーツという観点では一緒だと思いますが、見せる部分、見せる要素はバスケットボールのほうがより強いと思うので、そのあたりも強みにしながら、ファンを巻き込むような形を作っていかなければいけないし、Jリーグが立ち上がった1993年も一緒だったと思いますが、Jリーグが開幕して選手たちにプロの意識が芽生えて、プレーの質が上がっていって、より結果を求めるようになって、そういう中でレベルが上がっていきました。それが日本代表の強化につながり、ワールドカップという道につながっていったので、Bリーグもそこが大事だと思います。まずは選手たちが切磋琢磨してレベルを上げること。それが代表の強化につながるし、それが2020年のオリンピックにつながると思うので、そういうふうになっていくことが一番大事だと思います。そのためのBリーグ、日本代表、オリンピックを見据えながら、選手たちにはプロの意識を持ってバスケットボールを盛り上げていってほしいなと思います」

ーーこれからのBリーグに期待することは?

「コートと選手たちとが近いところでバスケットボールを見てもらうと、テレビとは違う盛り上がり方、興奮を感じられると思うので、まずはコートに足を運んでもらえればなと思います。会場で一度見てもらう、そうするとバスケットボールの良さがより分かってくると思うので、ぜひ、多くの人に会場に足を運んでもらいたいなと思います」

公式入場者数は9月22日が9,132人、翌23日が9,461人と、満員の観客が見守る中で幕を開けたBリーグ。前園さんの言う「サッカーにはないエンターテインメント性」と「プロの意識」に期待しながら、これからの成長に注目したいと思う。

ウォーカープラス編集長

編集者/KKベストセラーズで『Street JACK』などファッション誌の編集者として活動し、その後、株式会社フロムワンで雑誌『ワールドサッカーキング』、Webメディア『サッカーキング』 編集長を務めた。現在は株式会社KADOKAWAで『ウォーカープラス』編集長を担当。2022年3月にスタートした無料のプレスリリース配信サービス「PressWalker」では、メディアの観点から全プレスリリースに目を通し、編集記事化の監修も担当。

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