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藤井聡太竜王「難しい将棋だった」伊藤匠七段「次戦はもう少し熱戦にできるように」竜王戦第1局終了

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

藤井聡太竜王「(戦型は相掛かりで)序盤から動きのある展開になって。こちらが軽い形で、抑え込まされてしまいそうな局面が続いていって。なかなか、中盤にかけてはそんなに自信の持てない局面が多かったかなというふうに感じています。(振り駒の結果、本局は後手番)相掛かりになれば、一応本譜の形も考えられる展開なのかな、というふうには思っていたんですけど。ただ、やっぱり、指してみると、まとめ方が難しかったなという気がしています。(1日目午前中、非常に早いペースで激しい順になった)いろいろ変化はあるとは思うんですけど。一応そのあたりまで考えたことのある局面でした。(2日目午前、飛車を切って攻めていった)それほど成算はなかったんですけど。ただ、ちょっと封じ手の局面、自信がないかなと思っていたので。仕方なく(54手目)飛車切りからの手順を選んだというところでした。(はっきり優勢と感じたのはどのあたり?)そうですね。(72手目)△9七角成と香車を取ったあたりで少し、手厚い形になりそうかなというふうに思いました。(第2局の抱負)本局もいろいろ難しい将棋だったと思うので、まずしっかり振り返って、また第2局に向けて準備をしていきたいと思います。(4日後、来週の10月11日には八冠がかかった王座戦第4局)もうすぐ、数日後になるので。まずはコンディションを整えて、気負わずに臨めればと思います」

伊藤匠七段「ちょっと1日目に長考して(47手目)▲4五歩と突いたんですけど。かなりなんかおかしな手だったのかなと思っていて。そこからはちょっと、ずっと自信ない展開だったのかなと思っています。(自陣角を打って端から仕掛けるあたりは構想の展開だった?)そうですね。まあ一つ、考えられる展開かなと思っていました。(1日目昼食休憩のあたりは)そうですね。(45手目)▲9七香がまあ、いちばん自然なのかなとは思ったんですけど。ただ、ちょっと△1五歩と(手を)戻された局面で、かなり方針がわからなかったです。(封じ手開封後、2日目午前は)ちょっと不自然な手が続いてしまっているのかなと思っていました。(初のタイトル戦での対局を終えて)非常に素晴らしい環境で指させていただいて。ただちょっと内容が、あまりよくなかったので、次戦はもう少し熱戦にできるようにと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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