発達障害とうつ状態の『関係性』とは!?うつになる理由は自分で感情を抑えられず…
こんにちは、精神科医しょうです。
先日、外来をやっていたらこんな事を耳にしました。
「私は発達障害ですがうつ状態になってきている気がします…」
確かに発達障害の方で、日常での負担が重くうつ状態になる人も少なくありません。
精神的に余裕がないときに行動に注意した方が良く、うつ状態時に適さないことをすると余計に悪化しやすいものがあるんです。
どのような行動を控えた方が良いのか、心の状態を緩和するために必要なことなど精神科医しょうが解説していきます!
発達障害の人はうつ状態になることも少なくない
発達障害の人は周りの理解を得られにくく、大きなストレスを感じてしまうことからうつ状態になる人もいるんですね。
本人自身が周囲に馴染めていないことを自覚し努力しても、思うようにうまくいかず落ち込んでしまいます。
周囲から浮いて孤立してしまう
コミュニケーションの不得手のため周囲から浮きやすいところがあるので、人の輪の中から外れて孤立してしまう傾向があります。
こだわりが強く周囲の意見に合わせられない、会話の中で空気を読むことが苦手で独りよがりに話してしまう、納得できないことは分かるまで質問・議論してしまうなど周囲には困った人と見られてしまう事だってあります。
能力不足を感じ自己嫌悪しやすい
発達障害の人は目の前のことへの集中力は高いですが、複数の作業を並行して行うことは不得意で能力不足を感じ自分を責めて自己嫌悪しやすい面があります。
学校・職場ではマルチタスクを要求される部分があるので、複数の作業を両立できないと他人の足を引っ張っている気がしてしまうのでしょう。
自分で感情を抑えられず悩む
時には感情を抑えることができず、周囲も対応に困り腫れ物のように扱われることに悩みやすくなります。
感情の中で特にコントロールしにくいのが怒り・悲しみなどで、怒りは相手を委縮させてしまう・悲しみは相手の気持ちも暗くさせてしまいます。
発達障害の人は自分の感情の波で周りの人たちの様子も乱してしまうことに、心苦しさを覚えた経験が数多くあるでしょう。
うつ状態の際に注意すべき行動について
発達障害の人がうつ状態の際に控えた方が良いのは、普通の場合だとストレス解消になる行動です。
自分の落ち込んだ気持ちを変えるためにとしたことが、かえって状態を悪化させる結果になってしまうかもしれません。
インターネットの検索や閲覧
精神的に不安定な状態でインターネットの検索や閲覧をすると、依存してしまう・気持ちがさらに暗くなる可能性があります。
インターネットを使う場合にはゲーム・動画・映像コンテンツの視聴や、Twitter・InstagramなどSNSのチェック目的が多いでしょう。
SNSに投稿される内容は日常生活を満喫したリア充なものも目立つので、見てしまうと自分の状態との落差を感じてしまう場合があるのです。
アルコールでの気分転換
飲むと一時的に気持ちが上がるアルコールでの気分転換は、過剰摂取や依存症への入り口になる危険が高くおすすめできません。
一人で落ち着いてお酒を飲みうつ状態を乗り切ろうと思っても、お酒を口にして酔いが回ったときはハイでも酔いが醒めれば寂しさや虚しさを抱いてしまいます。
暗い感情が募るのを抑えるために酔いの多幸感を求めて、また酔うためにアルコールを追加で口にするなどしやすいです。
買い物や旅行などに出かける
気分が沈んでいるときは家にこもるより外出した方が良いと言う人もいますが、自宅から遠い場所へと買い物や旅行に出かけるのは疲労を加速することになります。
うつ状態の最中は心も体もパワーがなく疲れているのに、遠出しての買い物や旅行は自分に負担をかけてしまい疲れてグッタリしてしまいます。
買い物や旅行自体そのものもエネルギーを使う行動なので、元気のあるときには楽しくても心身の元気がないときにはなけなしのエネルギーが消費され楽しめないものです。
発達障害の人がうつ状態を緩和するには
発達障害の人はうつ状態の際に行動に注意するだけではなく、自分のメンタルヘルスのために緩和させる努力もするようにしましょう。
ともかく心と体を労わること
うつ状態になってしまう大きな原因はストレスなので、自分の中にたまったイライラモヤモヤを心と体を労わることで解消してあげます。
心身をリラックスさせてあげるには、
・寝る前にブルーライトの光を浴びないようにして良い睡眠をとる
・ヨガや腹式呼吸を行い精神と肉体のバランスを安定させる
・ヒーリング効果のあるアロマの香りを活用する
・心を穏やかにするカカオ成分の高いチョコを食べる
あくまで一例ですが、おすすめなので試してみてください。
何も考えない時間を作る
日常生活は色々と頭の中で処理しなくてはいけないことが多いので、1日の中で少しだけでも何も考えない時間を作りましょう。
頭を空っぽにすると脳も一休みすることができ、思考が一時停止すれば悩みや不安から離れられます。
そういった時間を定期的に作ると自分の状態を客観的に見れ、うつの原因に対して「それほど思い詰める必要があるのか?」など冷静な判断が下せるはずです。
一時的に投薬治療を受ける
自分で緩和できる方法を実践してみても良くならない場合は、一時的に精神科などで投薬治療を受けてみてはいかがでしょうか。
発達障害は心の病を併発してしまうリスクがあるものなので、自力で思うような改善が期待できないのなら早めに薬の助けを得ることも考えてください。
薬を飲むのに抵抗感がある人もいるはずですが、状態が緩和されれば薬の服用もなくなるので効率を重視した治療を受けることが最適です。
まとめ
発達障害の方がうつ状態になったときの行動は、良かれと思ったものが逆効果となる場合が多いので気をつけてください。
障害の特徴である思考・行動でストレスを受けることがよくあるので、心と体を休ませるように心がけてうつ状態を進行させないようにしましょう。
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