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全勝対決を制した12戦全勝9KOのスーパーミドル級22歳

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Amanda Westcott/SHOWTIME

 現地時間20日に行われたショーン・ヘンフィル(14戦全勝8KO)vs.デビッド・スティーブンス(11戦全勝8KO)の8回戦は、これからの若手を選りすぐって登場させるSHOWTIMEのボクシング番組、『SHOBOX: The New Generation』史上、"最も劇的な結末"とされる内容で、終了した。

 最終ラウンド2分58秒でスティーブンスのKO勝ち。22歳の勝者にとって、キャリア最大の勝利を収めた。

Amanda Westcott/SHOWTIME
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 スティーブンスはジャブの刺し合いでアドバンテージを取り、パワーショットも放ちながらひたすら前に出た。リズムのある戦い方だった。スティーブンスはヘンフィルよりパンチがあり、全体を通して圧倒していた。

Amanda Westcott/SHOWTIME
Amanda Westcott/SHOWTIME

 最終ラウンド残り21秒、スティーブンスは左右フックの連打でヘンフィルを沈め、辛うじて起き上がった相手に左フックをクリーンヒットしてフィニッシュした。

 ベルトラインに「ダイナマイト」なる文字を入れているスティーブンスだが、KOシーンの際、SHOWTIMEのアナウンサーはこの言葉を連呼していた。

Amanda Westcott/SHOWTIME
Amanda Westcott/SHOWTIME

 スティーブンスは、最後の数ラウンド、左のシューズのソールが剥がれ、セコンドが何度か応急処置をしなければならなかった。そんな状況を気にもせず、手数でヘンフィルを上回った。

 最終ラウンド前、3人のジャッジすべてが68-65と採点していた。

Amanda Westcott/SHOWTIME
Amanda Westcott/SHOWTIME

 試合後、スティーブンスは言った。

 「地元ファンの前で、いいパフォーマンスができたと思う。ジャッジがどのように判断していたのか分からなかったし、すべきことを実行できていなかった。ただ、セコンドから言われたように、自分のペースで試合を運ばなければならなかった。終盤はリラックスの必要性を感じた。

 もっと巧く戦えた筈だ。ただ、すべての面で少しずつ進歩しているんじゃないかな。最後の方はお互いに息が上がっていたし、このまま攻め続ければいいと思ったよ」

 スティーブンスとトレーナーのロニー・シールズの相性は良さそうだ。更に階段を駆け上がれるか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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