搬送1000人/週を超えた熱中症、すぐにできる3つの対策
毎年、暑い夏にニュースで見る「熱中症」。まだ梅雨が明けていないところが多いのにもかからず、今年は早くも熱中症で運ばれる人が増えています。そこで、今年の状況と熱中症対策について説明しましょう。毎年国内で500〜1000人が死亡するこの疾患、予防がとても大切です。
去年より少し早い熱中症流行の兆し
総務省の発表によると、今週の熱中症患者さんの搬送数が1000人を超えました。去年より早いタイミングで熱中症になる人が増えているようです。
今週に入りぐっと増えてきています。
また、都道府県別に見ると、埼玉、千葉、東京、大阪、沖縄での搬送数が多くなっています。
雨の日でもかかる、熱中症
熱中症は雨の日のような湿度が高い日でも危険です。そもそも熱中症とは、「からだから外へ熱を逃がす」量と「からだに入ってくる熱」の量のバランスが悪くなった時にかかるのですが、湿度が高い時には「からだから外へ熱を逃がす」量が減ってしまうからです。
あまり聞きなれない「暑さ指数」というものがあります。日本では諸外国と比べ湿度が高いため、ただの気温という指標よりもこちらのほうがより鋭敏に熱中症になる危険性を反映しています。引用します。
すぐにできる3つの予防
1、のどが乾かなくてもスポーツドリンクを飲む
2、エアコンを使い涼しくする
3、屋外では涼しい服装をし、日差し対策も
です。
1、のどが乾かなくてもスポーツドリンクを飲む
お茶やお水よりもスポーツドリンクを飲みましょう。それにより、汗で失われた体内のミネラル(ナトリウムやカリウム)の補充ができます。最近薬局の店頭でもよく見かけるようになったオーエスワン(大塚製薬)は、その他のスポーツドリンクよりもナトリウム・カリウムを多く含み(Na 50mEq/L, K 20mEq/L)ますのでより良い熱中症予防になるでしょう。
2、エアコンを使い涼しくする
28度を超えない室温で過ごしましょう。特に独居の高齢者の方などは注意が必要です。
3、屋外では涼しい服装をし、日差し対策も
屋外でスポーツをする人はなるべく薄着でこまめに水分補給をしましょう。
屋外で工事などの作業を行う人、警備をする人は、特に注意が必要です。
厚生労働省からこのようなリーフレットが配布されていますので、使用者の方はチェックをしてみましょう。
暑くて調子が悪い人を見たら、どんな時救急車を呼ぶ?
基本的に、意識がもうろうとしていたり受け答えがおかしかったら迷わず救急車を呼びましょう。次に、口から水分が取れないようであったら救急車を呼ぶか、すぐに病院を受診するようにしましょう。
(参考)
総務省ホームページ
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html
環境省 熱中症予防情報サイト
http://www.wbgt.env.go.jp/
熱中症診療ガイドライン2015 (日本救急医学会)
厚生労働省ホームページ「平成26年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000084785.html