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リーズナブルに滞在!「素泊まりに適した温泉地」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

さまざまなものやサービスが値上げされる昨今だが、温泉宿の宿泊料金も例外ではない。できるだけ旅の予算を抑えたいという人には、悩ましい状況が続いている。

そこで提案したいのは、「素泊まり」での滞在である。素泊まりで泊まれる宿は限られるが、1泊2食付きのプランと比べると、ずいぶんとリーズナブルに宿泊できる。

特に「温泉でゆっくりできれば豪華な宿の料理はなくてもよい」「ひとり旅だからできるだけリーズナブルに済ませたい」という人にとっては、泊食分離は現実的な選択肢となる。

ただ、素泊まりを実現するには条件がある。「食事を確保できるか」だ。山奥の一軒宿で素泊まりにしてしまうと、食事難民になりかねない。また、それなりに規模の大きい温泉地であっても、飲食店やコンビニがなかったり、早めに閉店してしまうこともある。筆者自身、何度か食事難民になり、飲み物だけで一晩を過ごした経験をもつ。

大事なポイントとなるのは、温泉街やその近くに飲食店や商店があるかどうか、である。規模の大きい温泉地や市街地に近い温泉地であれば、飲食店や商店が充実しており、食事に困ることはない。むしろ自由気ままにご当地グルメを選べるのは素泊まりのメリットとなる。

今回は、このような観点から「素泊まりに適した温泉地」を5カ所紹介したい。

別府温泉郷(大分県)

「温泉のテーマパーク」ともいえるほど多彩な入浴施設がそろう別府は、街全体が温泉街。ホテル、旅館、湯治宿など宿泊施設は400軒ほどにのぼる。都市機能と温泉が共存しているため、素泊まりでも困らない。特に別府駅周辺は昔ながらの商店街や大型スーパーなどが充実しており、暮らすように旅することが可能だ。

草津温泉(群馬県)

日本を代表する人気温泉地で、湧出量でも全国トップクラス。温泉地として「泉質主義宣言」をしているように、源泉の質には絶対的な自信をもっており、ほとんどの施設が源泉かけ流しである。ひとりで静かな時間を過ごすには少々にぎやかだが、宿泊施設のバリエーションも日本有数なので、素泊まりの宿も見つけやすい。飲食店のほかコンビニもあるので食事には困らない。

野沢温泉(長野県)

標高600mに位置する情緒あふれる温泉街には、旅館や土産物屋、飲食店などが並び、ひとり旅でもなじみやすい規模感。正統派の温泉旅館も多いが、安価に滞在するなら素泊まり数千円の民宿やペンションなどがおすすめ。リーズナブルに長期滞在も可能だ。温泉のない宿でも、外湯が13カ所あるので困ることはない。ただ、飲食店は早めに閉店するところもあるので要注意。

伊東温泉(静岡県)

全国屈指の源泉湧出量を誇る東伊豆の名湯。近くの熱海や箱根に比べて観光客が少なく、比較的素泊まりOKの宿が多いので、リーズナブルに滞在できる。源泉かけ流しの宿も多く、共同浴場の湯めぐりも楽しい。飲食店が多いのも魅力。特に駅前の商店街などに飲食店が充実しているので、宿は素泊まりにして、食事は外で地元の海産物などに舌鼓を打つという手もあり。

湯の川温泉(北海道)

函館の海岸沿いに湧く温泉で、市街地に20弱の温泉宿が点在する。地元の住民も多く、イオンやマックスバリュなど現地調達できる店舗も充実。函館という土地柄、海の幸も豊富で、鮮度の高い魚をリーズナブルに味わえる。函館空港から近く、温泉街には路面電車も走る。アクセス面も魅力だ。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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