「日本不買運動」が広がる韓国で大注目されている『NO NO JAPAN』とは?
日本の輸出規制を受けた韓国では現在、日本製品の“不買運動”が展開されている。
これまでも何度か不買運動は行われてきたが、あくまでごく一部、局所的なものが多かった。それに比べると今回は、大々的なキャンペーンとなりつつある。
韓国の世論調査を行う「リアルメーター」によれば、韓国国民の10人中6人を超える62.8%(7月24日発表)が不買運動に参加しているというのだから、驚いてしまう。
そんななか、とある韓国のウェブサイトが大きく注目を集めている。『NO NO JAPAN』(ノーノージャパン)というサイトだ。
不買運動情報サイト『NO NO JAPAN』
どんなサイトかというと、不買運動関連の情報サイトだ。韓国で販売されている日本製品や企業をリスト化し、韓国企業が販売している代替製品を提案・案内している。
例えば、「日本関連製品」の「自動車」という項目を見ると、「トヨタ」「ホンダ」「日産」など日本の自動車メーカーが出てくる。それらは日本企業なので不買運動の対象だということだろう。
同サイトが韓国で人気を博しているのは、日本の企業や製品を教えてくれるだけでなく、それに替わる韓国の製品まで提案・教えてくれるからだという。
「トヨタ」の代替として挙げられているのは、「ヒュンダイ」「KIA」などの韓国自動車メーカー。『NO NO JAPAN』を訪れたユーザーは日本製品に替わる代替え案を知ることができるというわけだ。
『NO NO JAPAN』で推薦されているいくつかの代替メーカーをピックアップしてみよう。
「ソニー」→「LG」「アイリバー」
「エプソン」→「LG」「サムスン」「HP」
「資生堂」→「Amipure」「CLIO」
「ユニクロ」→「TOPTEN」「BYC」
「無印良品」→「カサミア」
「アサヒ」→「cass」「hite」
7月23日には『NO NO JAPAN』のアプリ版まで登場。サイトが注目を集めると、サイト運営者が有名ニュース番組やメディアから取材を受けている状況だ。
日本のビールの売り上げが30%減少したと報じられたり、韓国プロ野球が毎年恒例の沖縄キャンプに気を揉んだり、かたや韓国が「日本のゴミ」を大量輸入していることが問題になったりと、不買運動の余波は広がる一方だが、サイト運営者によれば、毎日70万人が『NO NO JAPAN』を利用し、不買商品の追加要請が一日8000件にも及ぶという。
(参考記事:“日本不買運動”が盛り上がるなかで…韓国は「日本のゴミ」を大量輸入している
まさに不買運動の“必須サイト”となっているわけだが、トラブルも少なくないようだ。
「間違い」や「勘違い」も少なくない?
まず、韓国企業であるにもかかわらず、日本企業と間違ってサイトに記載されたケースがある。
女性服ブランド「Olive Des Olive」は、2015年に日本の株をすべて買収した100%韓国法人だが、『NO NO JAPAN』に不買対象に掲載された。Olive Des OliveがSNS上で「Olive Des Oliveは“日本企業”ではなく、韓国株主で構成された“国内企業”で、日本とは関連がないことを伝えます」と、強調したほどだ。
次に、日本製品のように思われているが、実際には韓国で生産された製品だったという勘違いも何度か起きている。
『NO NO JAPAN』が最近、日本製品リストから外したものを見ると、韓国のコンビニで人気のある「カムドンラン」(ゆで卵)、衣料品メーカー「ワコール」、化粧品ブランド「SK-II」などだ。
『NO NO JAPAN』によれば、「カムドンランとワコールは100%国内(韓国内)生産製品であり、ロイヤリティをまったく支払っていないことが確認された」ため、リストから外したという。
日本のメーカーであっても、韓国で生産している製品まで不買の対象にすると、自らの首を絞めることになる。
サイト運営者は「国産なのに日本製品と誤解されている製品情報や不買対象企業の詳細な持株構造を明らかにして、消費者の選択を助ける内容をサイトに追加する」などとしているのだが……。
代替できない製品も…
韓国製品では代替できない日本製品も少なくないという現実がある。
わかりやすいのはゲーム機で、『NO NO JAPAN』には「プレイステーション」の代替製品として「Xbox」などが推薦されているが、ゲーム情報サイト『gameshot.net』によると、「反発する意見が大多数」だという。同サイトは「ゲーム機や日本のアニメーションなどの製品は代替不可能」と指摘している。
『NO NO JAPAN』で家電製品に分類されている「キヤノン」「ニコン」の代替としては、いくつか韓国メーカーの名前も挙がっているが、「代替が難しい」と書かれている。
いずれにしても、買ってはいけない日本製品を掲載する『NO NO JAPAN』は、韓国で不買運動が続く限りアクセス数も伸ばしていくことだろう。今後どのように展開されていくか、引き続き注目していきたい。