パナソニック福岡堅樹、好調のわけは? 「状況判断できる選手が多くいる」【ラグビー旬な一問一答】
ラグビー日本代表のウイング、福岡堅樹が、日本最高峰トップリーグで好調を維持している。開幕3連勝中のパナソニック(一昨季まで3連覇)で背番号11をまとい、2トライをマーク。スコアに関わらぬ場面でも、持ち前のスピードでスタンドを沸かせている。
筑波大学の2年生だった2013年、当時のエディー・ジョーンズヘッドコーチに日本代表へ抜擢される。15年のワールドカップイングランド大会にも出場し、7人制日本代表としては16年のオリンピックリオデジャネイロ大会にも参加。パナソニック入り2年目の今季は、7月までサンウルブズの一員として国際リーグのスーパーラグビーに挑んでいた。
一昨季準優勝の東芝を47-10で下した9月1日、東京・秩父宮ラグビー場の取材エリアで心境を明かした。
――絶好調ですね。
「でも、トライは取れなかったので。まだまだだな、と」
――とはいえ前半終了間際にカウンターアタックで大きな突破。その後、相手が反則したことでベリック・バーンズ選手がペナルティーゴールを決めました。
「それまで走れていなかったので、チャンスがあれば狙っていました。トライには繋がらなかったですが、結果的に得点に繋がったので、よかったと思います」
――結果的には快勝しましたが、序盤は東芝の激しい圧力を受けていました。難局を乗り越えるまで、どんな意識を持っていましたか。
「フィジカルに戦わないと相手を勢いに乗せてしまう。相手はウイングもそうしたプレーをしてくるので、自分もそこで負けないようにしていました」
――「フィジカルで戦わないと」。確かに、相手のキックを捕球した後に防御の壁へ真っすぐぶつかっていました。
「堅実なプレーをする。攻めればトライを取れる、アタックが通用しているという感覚はあったので、外で簡単にボールを失うのではなく、勢いを与えられるようなプレーを選択しました」
――体調は良さそうです。
「サンウルブズからの切り替えのところで休みをもらえたので、メンタル的なリフレッシュができた。その後、チームにも上手くなじめています。(開幕前に周りと)合わせる時間は短かったですが、去年使ってもらえたのもあってよりすんなりと入りやすかったところはあると思います」
――持ち場の左タッチライン際だけでなく、さまざまなスペースへ走りこんでいます。
「外で待っているだけではなく、自分からどんどん(パスコースへ)入っていきたい。状況判断のできる選手が多くいるので、そういった選手に声をかけてチャンスをもらいたいとは思います」
パナソニックの司令塔を務める元オーストラリア代表のバーンズは、「彼についてはスピードのことを注目される方が多いと思いますが、実はフィジカルも強い。練習では、タックルしたくないくらいです」と冗談めかして言う。確かに東芝戦に出た福岡は、快足を飛ばして相手にぶつかった際の推進力でも光った。本人はこうも言う。
「最近は、強さの部分でも戦える自信がついた。それも上手く使いながらやっていきたいです」
身長175センチと決して大柄ではないなか、ジョーンズに「ワールドクラスのスピード」を見込まれた25歳。どこまで進化するか。