ハワイで米海兵隊ヘリコプター2機が空中衝突事故
1月15日、ハワイのオアフ島北部ハレイワ沖でアメリカ海兵隊の大型ヘリコプター「CH-53Eスーパースタリオン」2機が夜間訓練飛行中に空中衝突しました。事故機はオアフ島カネオヘベイ基地所属の第463海兵重ヘリコプター飛行隊(HMH-463)の機体で、1機に6人ずつ計12人が搭乗、全員が現在行方不明です。捜索している沿岸警備隊の発表によると、ハレイワ沖2.5マイル(約4km)で炎上した機体の残骸や空の救命ボートが確認されました。事故の原因は現時点では不明です。
解説:アメリカ海兵隊のCH-53Eスーパースタリオン(および派生の海軍型MH-53Eシードラゴン)は引退が近付いている老朽機で修理部品の在庫が苦しい状況になり、ここ数年は飛行時間の割に重大事故が相次ぎ、昨年にはこの機種に対して海軍航空システム軍団が問題点検する指示(AFB-346)を発令しています。一足早く引退した日本海上自衛隊の同型機は部品取り用にアメリカへ送られるといった状況で、開発が遅れている新型の後継機「CH-53Kキングスタリオン」の就役が急がれています。
なお2004年に沖縄国際大学に墜落したのは「CH-53Dシースタリオン」で、今回ハワイで事故を起こした「CH-53Eスーパースタリオン」とは名前は似ていますが別機種となります。
- CH-53D 3925馬力×2 合計7850馬力
- CH-53E 4380馬力×3 合計13140馬力
- CH-53K 7500馬力×3 合計22500馬力
同じCH-53系の機体といってもエンジン出力にこれだけの違いがあります。D型はエンジン2基なのに対してE型はエンジン3基となっており、機体の構造もこれに合わせて再設計されています。海兵隊の事故統計でもCH-53DとCH-53Eは別個に集計されているので、同列扱いはできません。そしてCH-53Dは2012年に全機退役済みで、稼働機はもうありません。