ACLでJリーグ勢を苦しめた中国の強豪がチーム解散。かつての「広州恒大」に一体、何が? #専門家のまとめ
「広州恒大」という名前を聞けば、苦い思い出が蘇るJリーグサポーターは多いはずです。中国サッカー界が「爆買い」で存在感を見せていたバブル的な時代の代表格が「広州恒大」。ガンバ大阪や鹿島アントラーズなど数多くのJリーグ勢がACLで苦しめられてきました。
そんな「広州恒大」は中国サッカー協会の意向で企業名が許されなくなり2021年に広州FCに名称変更。経営難でチームは弱体化し、2023年から中国の2部で戦っていましたが2025年のクラブライセンスが認められず、1月6日にチーム解散が発表されました。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
ガンバ大阪がアウェイの広州で広州恒大と対戦した試合は筆者も現地で取材しましたが、天河体育中心体育場には48946人の観衆が集い、率いる指揮官は元ブラジル代表監督のルイス・フェリペ・スコラーリ。ピッチ上にはパウリーニョらブラジル代表経験者も揃い、当時の広州恒大は間違いなくアジア最強レベルのチームで、クラブ施設の充実度も素晴らしいものがありました。
ただ、親会社を務めた恒大グループが不動産バブルの崩壊で、経営破綻を余儀なくされると資金力を欠いたチームからは主力が退団。2022年12月には2部に転落する凋落ぶりでしたが、当時から中国メディアは将来的なクラブの解散の可能性を指摘していただけに、来るべき日が来たか、という印象です。
ただ、Jリーグでもかつて横浜フリューゲルス消滅という悲劇があっただけに、改めて親会社に頼るクラブ運営の危うさを思い知らされます。
もっとも長いサッカーの歴史では南米や欧州、北米などでもこれまでいくつものクラブが消滅したケースは存在しますがその多くは財政難によるものです。選手育成に限らず、やはりクラブの運営も地道かつ堅実な手法が必要だと改めて感じます。