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300試合以上でバッテリーを組んだ相棒が引退しても、こちらは現役続行。200勝まで5勝。年齢は41歳

宇根夏樹ベースボール・ライター
アダム・ウェインライト/手前はヤディアー・モリーナ Oct 2, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アダム・ウェインライトヤディアー・モリーナは、セントルイス・カーディナルスの投手と捕手として、長年にわたってプレーしてきた。彼らは、レギュラーシーズンの328試合で先発バッテリーを組んだ。これは、ナ・リーグとア・リーグにおける最多記録だ。1960~70年代のデトロイト・タイガースで、ミッキー・ロリッチビル・フリーハンが記録した、324試合を上回った。

 その数は、これ以上増えない。40歳のモリーナは、今シーズン限りで選手生活を終える。ただ、41歳のウェインライトは、来シーズンもマウンドに上がる。

 10月26日、ベルビル・ニューズ-デモクラットのジェフ・ジョーンズは、あと1年投げるという、ウェインライトの発言を報じた。その数時間後に、セントルイス・ポスト-ディスパッチのデリック・グールドは、ウェインライトとカーディナルスが1年の延長契約で合意と伝えている。

 あと5勝を挙げると、ウェインライトは200勝に到達する。ただ、グールドによると、ウェインライトのゴールは、そこではないらしい。ウェインライトは「めざしているのは210勝だ。何であれ、ミスター・ギブソンに次ぐというのはクールなこと。それと、212勝もめざしている」と語ったという。

ボブ・ギブソンは、カーディナルス一筋に投げ、球団最多の251勝を挙げた。ギブソンに次ぐ球団2位は、210勝のジェシー・ヘインズだ。

 212勝については、よくわからない。グールドは、ジョン・スモルツの通算勝利と記しているが、スモルツは213勝(と154セーブ)を挙げている。もしかすると、ウェインライトが213勝と言った可能性もある。

 昨シーズン、ウェインライトは206.1イニングを投げ、防御率3.05を記録した。今シーズンは、191.2イニングで防御率3.71だ。両シーズンとも、FIPは3.66。何勝できるかはさておき、ローテーションの一員として、まだ十分に通用しそうだ。ちなみに、昨シーズンは17勝、今シーズンは11勝を挙げている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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