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台風1号発生で来週の雨はどうなる?今年の台風発生は早い?遅い??:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
25日9時実況天気図と21時予想天気図(気象庁HPより)。夜までに台風が発生か。

フィリピン付近の海上にある熱帯低気圧が25日夜までに台風に発達する予想となっていて、日本の気象庁だけでなくフィリピンやアメリカの気象当局も注意深く実況を監視しながら情報を出しています。発生すれば、今年最初の台風です。

梅雨前線が沖縄付近に停滞する中、日本の雨への影響は?

発生前から進路予報は発表

25日9時時点の台風情報(気象庁HPより)。最新の情報は必ず気象庁HPで確認を。
25日9時時点の台風情報(気象庁HPより)。最新の情報は必ず気象庁HPで確認を。

気象庁では2020年から、まだ台風になっていなくても今後台風になる可能性がある熱帯低気圧については、5日先までの予報円を発表するようにしています。
それによると、これから発生する台風1号はフィリピン付近で向きを変え(専門的には「転向」と言います)、沖縄そして本州に接近するおそれがあります。

予報円を見ると一番危険なのは30日(木)のように見えますが、実際はそれより先に、28日(火)の段階で注意・警戒が必要です。
梅雨前線が本州付近まで北上するタイミングで台風周辺の湿った空気が流れ込み、雨量が多くなるおそれがあるとして、気象庁は広い範囲で大雨警報を出す可能性があると情報を発表しています。

28日の早期警戒情報(気象庁HPより)。ピンク色になっているところは、大雨警報が出る可能性があると気象庁が示している府県。
28日の早期警戒情報(気象庁HPより)。ピンク色になっているところは、大雨警報が出る可能性があると気象庁が示している府県。

関東への接近は?

さきほどの5日先までの台風予報円を見ると、30日(木)の予報円がかなり大きく、いったいどのエリアで警戒すべきなのかわからない状態ですが、これはそもそも、現段階では予報に「バラつき」があるためです。

25日9時の台風情報に各国の気象当局が公表している予想を追記。それぞれ関東への最接近予想日時が異なるため、日時を併記している。
25日9時の台風情報に各国の気象当局が公表している予想を追記。それぞれ関東への最接近予想日時が異なるため、日時を併記している。

日本の気象庁では現在、世界各国の複数のシミュレーション結果の情報をAIに分析させた上で予報円を発表しています。

まだ台風が発生してもいない状況ではどの国のどのシミュレーションが当たるかなどわかるはずもないので、すべての可能性を包含した大きな予報円になっているのです。

なお、いずれにしても今後、日本では本州を含め台風や梅雨前線の影響を強く受けやすいシーズンに突入していきます。
今回の台風(熱帯低気圧)の進路に関わらず、備えを進めておくことが必要です。

5月下旬の台風1号は早い?遅い??

台風1号は、早い年だと1月にはもう発生していますが、初夏になってから初めて発生する年もあります。
だいたい3~4月頃に台風1号が発生することが多いものの、年によってかなり差があるため、3月中旬~5月中旬くらいの間に発生すれば「おおよそ平年並み」と言うことができそうです。

今年2024年はこのままだと5月下旬の発生ということなりそうですから、「平年並みかやや遅い」と言えるでしょう。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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