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江頭そっくりセミシ・マシレワ、記者から教わったコマネチも実現。【ラグビー雑記帳】

向風見也ラグビーライター
トライシーンのマシレワ。日本では近鉄に在籍(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 スーパーラグビー(国際リーグ)の日本チームであるサンウルブズに、セミシ・マシレワという名物選手がいる。

 身長181センチ、体重96キロのフィジアンで、ウイング、フルバックに入る。加入2シーズン目の今季は反則の多さにも泣かされるが、持ち前のフットワークとランニングスピードでスタンドを沸かせてもいる。

 変化が、あった。トライ後のパフォーマンスは腕で蛇の形を作るスネークポーズを定番としてきたが、最近では日本代表でチームメイトの田中史朗に教えられお笑い芸人の江頭2:50の動きも披露。本人がそっくりである、というのが導入のきっかけだ。

 さらに最近加わったのが、ビートたけしの持ち芸であるコマネチ。実は国内最終戦(6月1日)の前日、宿泊先で記者団から教わったのがきっかけだった。

「Do you know Takeshi?」

「No…」

 ちょうど家族と出かけるべくフロントに立っていたところ、別件の取材で近辺にいたジャーナリストから例のポーズを伝授された。興味を持ったのだろう、試合が始まるまでに同僚の内田啓介に正しい動きを確認。以後2試合で3トライを挙げるなか、他のポーズに「コマネチ」を付け加えている。

「コマネチポーズは腕が上から下だったか、下から上だったかがわからなくなりました。内田選手に確認したら下から上だということでした。コマネチであれ、エガちゃんであれ、自分のものにしてやれているのは嬉しいことです」

 

 発足4年目となるサンウルブズは開幕からここまで2勝13敗。ワールドカップを控える日本代表の候補選手が頻繁に入れ替わる陣容で、トニー・ブラウンヘッドコーチもシーズン序盤と終盤は離脱。下剋上には欠かせぬ組織力の醸成に難儀してきた。

 しかしマシレワは、この手の論調へ首を横に振る。

「サンウルブズにとっての大きなポイントは、やるべきシステムを信じて、互いを信じること。選手の入れ替わりは難しいことはありません。どの選手もプレースタイルは何かしら違う。それぞれがそのチームでアダプトしてゆくかが大事で、皆、それができていると思います。違いは難しい問題よりも、チームの深みを持たせてくれると捉えています」

 6月15日、アルゼンチンでジャガーズとの今季最終戦をおこなう。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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