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【2015統一地方選】誰に投票するか選ぶための材料

一井暁子一般社団法人つながる地域づくり研究所 代表理事

4月12日は、統一地方選挙前半、道府県・政令市の知事・市長・議員の投票日です。

「地元の選挙に誰が出てるか知る方法」では、自分が住んでいる選挙区の立候補者を調べる方法について書きましたが、道府県によっては、見つけにくいところもあったので、一覧(道府県議会議員選挙)を作ってみました。

まずは、「候補者情報」「立候補者一覧」などから、「地元の選挙に誰が出てるか」チェックしてみて下さい。

これじゃあ選べない?

でも、pdfを開いてみて、「え?これだけ?」「これで誰に投票するか、選べと言われても・・」と思いませんでしたか?

写真もないし、経歴も分からない。政策や得意分野の情報もありません。

ホームページやフェイスブックを見てみようかと思っても、意外と載っていない人が多いですし、自治体によっては、クリックしてもリンク先に飛べないところも!

選挙公報というものがあります

そんな時のために、「選挙公報」があります。

先ほどの一覧には、選挙公報が掲載されているホームページもリストアップしてありますので、見てみて下さい。

選挙公報には、候補者の名前やプロフィール、政策や意見などが掲載されています。

印刷用の原稿は、候補者が作って提出し、選挙管理委員会はそのまま載せなければならないことになっています。(もちろん、他人の名誉を傷つけるとか、公序良俗に反するとか、商品の宣伝広告とかはダメですが。)

ですから、各候補者は、工夫を凝らして、自分自身や政策のPRをしています。

白黒という限界はありますが、顔写真も(ほぼ)載っていますし、経歴やデザインから人柄が感じられたり、どういう政策を掲げているのかを読むこともできます。

候補者に会ったことも話したこともない、という方にとって、誰に投票するか選ぶための「材料」としては使えると思います。

発行していない自治体も

先ほどの一覧で、お住まいの自治体を見て、「あれ?選挙公報は発行していないって書いてある!」という方もいらっしゃるはずです。

実は、全国47都道府県(今回、議会議員選挙を行うのは41道府県)の内、選挙公報を発行していないところが、8県あるのです。

具体的には、新潟県、福井県、山梨県、岐阜県、愛知県、岡山県、広島県、山口県です。

中部地方と中国地方に集中しているのは不思議ですね。理由は分かりません。

4年前の統一地方選挙の際には、福岡県、熊本県、沖縄県も発行していませんでした。

その後、条例を制定し、沖縄県は2012年の県議選で、福岡・熊本県は今回の県議選で、初めて発行しています。

ちなみに、知事選挙では、選挙公報の発行が、法律によって決められています。

政令市長選挙は、各自治体が条例で定めますが、発行していないのは、広島市と北九州市だけです。

ネットで見てから投票へ

選挙公報は、新聞のような紙に印刷され、全世帯に配付することが原則ですが、実際には、新聞への折り込みや、公共施設に置いて見てもらう、という方法がとられていることが多いようです。

それでは手元に届かない方も、ネットでなら見ることができますよね。

投票所で与えられる情報は、投票台(記名台)の前に貼られた、所属党派と名前だけです。

選挙公報を見ることはできません。

投票所に入る前に、近くの掲示板でポスターを見るくらいしか、誰に投票するか選ぶための、判断材料がないのです。

誰でも「材料」に使える選挙公報。

明日は、投票に行く前に、ネットで選挙公報を見てから、出かけて下さい。

一般社団法人つながる地域づくり研究所 代表理事

1970年生まれ。東京大学法学部中退。地中美術館(香川県直島)、岡山県議会議員などを経て、2013年、ローカル・シンクタンク「一般社団法人つながる地域づくり研究所」(岡山県岡山市)を設立。自治体と民間と住民をつなぎ、地方創生やまちづくりの現場を伴走支援する。「官民連携まちづくり推進協議会」「文化と教育の先端自治体連合」など、共通するテーマに取り組む、全国の自治体団体の事務局も務める。地域や自治体、企業の声を聞き、「しごとコンビニ」や「放課後企業クラブ」などの新たなしくみを生み出している。

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