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「その日が来たら。」会いに行きたい人がいるまちを探す【#コロナとどう暮らす

一井暁子一般社団法人つながる地域づくり研究所 代表理事
「その日が来たら。」メッセージを伝える住民達(生涯活躍ポータル「カラフル」提供)

6月19日、国が要請していた県境をまたぐ移動の制限が、全国的に解除されました。

しかし、まだ移動を控えている方が多いのではないでしょうか。

「Yahoo!ニュース みんなの意見」でも、県境をまたぐ移動について、75.1%が「控えている」と回答しています。

一方で、事態が落ち着いたら、どこかに出かけたいな、という思いを抱いている方もたくさんいらっしゃることでしょう。

同じく「Yahoo!ニュース みんなの意見」において、「新型コロナウイルスの感染拡大収束後、あなたが楽しみたいレジャーは何でしょうか?」という問いに対し、「国内旅行」という回答が32.2%で、2位(外食:12.5%)を大きく引き離して、1位でした。

ずっと「Stay Home」していたから旅行に行きたい、でも感染拡大が心配だから移動はまだ控えたい。

そんな今、いずれ訪れる先として、「新型コロナ収束後に会いに行きたい人」がいるまちを探してみてはどうでしょうか。

地方自治体も考えた

東京駅の前に、生涯活躍ポータル「カラフル」というスペースがあります。地方創生の中で「生涯活躍のまち」に取組んでいる、全国の5つの自治体(北海道東川町、福島県伊達市、山梨県都留市、鳥取県湯梨浜町・南部町)が開設している相談窓口で、筆者は事務局を務めています。

4月7日に緊急事態宣言が発令され、16日には全都道府県に拡大、感染者数も増加していく中で、カラフルを構成している自治体は、自分たちに何ができるのかを議論しました。

そして、「新型コロナウイルスの感染拡大下、気持ちが落ち込みがちな状況だからこそ、元気が出るような、前向きなメッセージを伝えたい」「厳しい状況を共に乗り越える仲間として、人と人のつながりを大事にしたい」という思いに至りました。

その思いを形にするため、「その日が来たら。」というタイトルで、それぞれの自治体の住民からのメッセージを伝えるツイートを発信することにしたのです。

早く笑顔で会えますように!!(生涯活躍ポータル「カラフル」提供)
早く笑顔で会えますように!!(生涯活躍ポータル「カラフル」提供)

日本全国の皆が力を合わせることで、きっといつかは事態が収束する。

「その日が来たら。」私たちのまちで、一緒にこんなことをしたい!

それを楽しみに、それまでは一緒に乗り越えましょう!

1週間ほどで、そんな気持ちを込めた住民のメッセージが、5つの自治体から集まり、議論を始めてわずか半月で、メッセージのツイートが始まったのです。

新しいことをするのには時間がかかると言われる行政ですが、「今、伝えたい」という思いで職員が動き、短期間で実現しました。

「会いに行きたい人」がいるまち

メッセージは笑顔があふれ、「今は会えないけど、待ってるよ!」「会えたら一緒にこんなことしようね」という気持ちが伝わってきます。

伊達男に会わない?(生涯活躍ポータル「カラフル」提供)
伊達男に会わない?(生涯活躍ポータル「カラフル」提供)

これは伊達市の住民の方からのメッセージです。市の名前とかけたダジャレと写真からにじみ出るキャラクターが、見る人の笑顔を誘います。

新型コロナウイルス感染症の状況は予断を許しませんが、ソーシャル・ディスタンスを取ることが求められ、移動が控えられている今だからこそ、距離を超えて人とつながれる喜びも大きいのではないでしょうか。

メッセージを受け取り、そこでつながった人に、「その日が来たら」会いに行く旅。

収束後に向け、これまでとは違った旅の計画ができるかもしれません。

一般社団法人つながる地域づくり研究所 代表理事

1970年生まれ。東京大学法学部中退。地中美術館(香川県直島)、岡山県議会議員などを経て、2013年、ローカル・シンクタンク「一般社団法人つながる地域づくり研究所」(岡山県岡山市)を設立。自治体と民間と住民をつなぎ、地方創生やまちづくりの現場を伴走支援する。「官民連携まちづくり推進協議会」「文化と教育の先端自治体連合」など、共通するテーマに取り組む、全国の自治体団体の事務局も務める。地域や自治体、企業の声を聞き、「しごとコンビニ」や「放課後企業クラブ」などの新たなしくみを生み出している。

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