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台風11号 今週末に西日本へ接近、来週にかけて長丁場のおそれ

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
気象衛星8月5日9時 気象庁HPより

四国や九州に加え、北海道でも大雨による土砂災害の危険度が高まっている所がありますが、今週末には次の台風11号が接近するおそれがあります。

今回の11号の特徴は「勢力が強い、動きが遅い」ということで、影響が大きく、今週半ばから来週前半にかけて長丁場になる可能性があります。

■台風11号の特徴

(8月5日6時時点の情報より作成)

【勢力強い】

日本近海の海水温が高いため、非常に強い勢力を保って北上し、特に沖縄周辺は大荒れの天気。西日本接近時の強さも、前回上陸した台風8号より強い可能性がある。台風が勢力を維持するといわれる27度以上の海水温→関東近海まで(下図参照)

日本近海日別海面水温(8月3日 気象庁HPより)
日本近海日別海面水温(8月3日 気象庁HPより)

【速度が遅い】

台風を流す上空の強い風(偏西風)は、日本の北に離れているため、台風の動きが遅い。時速15キロ前後のノロノロ速度で北上するため、影響が来週前半にかけ1週間近くに及ぶ可能性もある。

【台風接近の前から、大雨のおそれ】

本州付近に接近するのは今週末以降になる予想だが、台風の湿った空気は1000キロ以上離れた所にも届くため、接近前から大雨が懸念される。さらに北日本は前線も南下中で、北から南まで広範囲で長時間にわたり大雨になるパターン。

【いつ接近するか予想が難しい】

台風の進行方向の上空に、大陸から高気圧(チベット高気圧)がはりだし、北上が押さえられていることもあり、より速度が遅く、接近のタイミングが読みづらい。

進路に関しては、大陸の高気圧と太平洋高気圧の間を進み、沖縄→西日本方面を進む方向で、海外の気象機関の予想モデルとも、ほぼ一致しています。ただ、西日本接近のあと、日本海を通るか、太平洋か、はたまた日本縦断コースかはっきりしてないのが現状です。

台風進路図(8月5日午前6時)に加工
台風進路図(8月5日午前6時)に加工

■台風11号まとめ

台風の勢力が強く、動きが遅いということで、大雨や暴風、高波が長期間に及ぶ可能性があり、湿った空気と前線の影響で、台風の接近前から大雨が続くおそれがります。また、現時点では、台風11号が、いつ何処に接近するか、予想のブレがあるため、必ず、最新の予想進路を参考にするようにしてください

http://www.jma.go.jp/jp/typh/

■台風情報の更新時間をご存知ですか?

気象庁の台風情報(台風進路図)は、3時、6時、9時、12時、15時・・・と3時間毎に1時間遅れで更新されます。また、台風が日本に接近すると、1時間毎に情報が更新されます。つまり、午前中に見た進路予報と午後の進路予報が違うということが、今回は想定されますので、細目に最新の情報を取得するようご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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