ヤンキースはソトを手に入れたが、FAまであと1年しかなく…
ニューヨーク・ヤンキースは、サンディエゴ・パドレスからホアン・ソトを獲得した。
ソトとともに、トレント・グリシャムも、パドレスからヤンキースへ移った。彼らと入れ替わりに、マイケル・キングら4投手と捕手のカイル・ヒガシオカがパドレスへ移籍した。
ソトの実力に、疑問の余地はない。2018年のメジャーデビュー以来、出塁率.400を下回ったシーズンは一度もなく、ここ3シーズンは平均30.3本のホームランを打っている。今シーズンは、出塁率.410と35本塁打を記録した。
グリシャムは、ここ3シーズンのトータル出塁率が.309、ホームランは計45本に過ぎないが、守備に優れている。センターを守り、ここ4シーズンに2度、いずれも偶数年にゴールドグラブを受賞している。
ヤンキースが得たのは、ソトとグリシャム、そして、ソトと延長契約の交渉を行う権利だ。
このままいくと、ソトは、来シーズン終了後にFAとなる。グリシャムは、あと2シーズン、保有できる。
ヤンキースが思い描いているのは、ムーキー・ベッツやフランシスコ・リンドーアのようなシナリオだろう。2人とも、FAまであと1シーズンとなったオフにトレードで移籍し、新天地で開幕を迎える直前に延長契約を交わした。ベッツは、ロサンゼルス・ドジャースと12年3億6500万ドル(2021~32年)。リンドーアは、ニューヨーク・メッツと10年3億4100万ドル(2022~31年)だ。
ただ、ソトを引き留めるには、さらなる大枚が必要になる。昨年の夏、ソトは、計8人が動くトレードにより、ワシントン・ナショナルズからパドレスへ移籍した。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールによると、その前に、ナショナルズは、15年4億4000万ドルの延長契約を申し出て、断られたという。
ソトと代理人のスコット・ボラスは、ヤンキースに対しても、強気に出ることができる。現在、ソトは25歳だ。延長契約を交わした当時のベッツとリンドーアと比べ、2歳若い。来シーズン、不振に陥ったとしても、FA市場に出れば人気を博すだろうし、いずれかの球団と年数の短い契約を交わし、20代のうちに再びFAとなることも可能だ。ちなみに、ベッツとリンドーアの代理人は、ボラスではない。
ヤンキースには、ソトが望んでいる契約を提示する以外に、引き留める方法がないように見える。
なお、今回のトレードについては、こちらでも書いた。
◆「大型トレードでヤンキースに移籍したソトは、ジャッジと計100本塁打&250四球デュオを結成する!?」