スマホ、交通系ICカード、商品券…15歳のキャッシュレス決済事情をさぐる(2024年公開版)
物やサービスの価値を指標化し、容易に交換、蓄積ができる仕組みが「お金」。その「お金」を直接紙幣や貨幣ではなく、他の形に変えてさらに使いやすくしたり、それに類するサービスを展開することで、人は多様な価値の蓄積や利用を行い、やり取りの利便性を享受している。それでは子供達はこれらの仕組みをどこまで利用しているのだろうか。今回は金融広報中央委員会「知るぽると」が2024年1月に発表した、「15歳のお金とくらしに関する知識・行動調査」(※)を基に、15歳におけるキャッシュレス決済の利用実情について確認する。
次に示すのはキャッシュレス決済をしたか否か。質問票には「現金を使わず支払うこと」との説明がある。
おおよそ2/3は何らかの形でキャッシュレス決済を利用したことがあると答えている。
それでは具体的にどのような手段を用いたのか。キャッシュレス決済を利用したことがある人限定で、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。もっとも多くの人が用いていたのはスマホ決済で74.5%だった。
次いでSuicaやPASMOなどの交通系ICカードが61.3%、QUOカードや図書カードなどがよく知られている商品券が36.7%、TポイントやPontaポイントなどが有名なポイントが29.5%と続く。キャッシュレス決済という言葉にハードルの高さを覚えるかもしれないが、実際には15歳の時点でも生活の中に取りこまれているように、多様な場で使われている。
一方で仮想コインやデビットカードは1桁台%。前者はそもそも論として仮想コインを持っている15歳がどれほどいるのかという話になるし、後者は年齢制限が(多くは15~16歳から発行可能)要因だろう。
元々キャッシュレス(決済)は普及が進んでいたが、新型コロナウイルスの流行をきっかけとして、普及に加速がついた感は強い。今調査の別項目でも結果が出ているが、おこづかいをもらっている人のうち12.3%の人はキャッシュレスで受け取っている。現金の取り扱いが無くなることはないものの、今後もキャッシュレス決済はより広範囲に、より多く普及していくことだろう。
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※15歳のお金とくらしに関する知識・行動調査
2023年6月15日~7月14日に日本全国の高校1年生に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は3000人。直近の国勢調査の結果を基に、15歳の地域比率にあう形で割り付けを行っている。
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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。