台風1号、台湾上陸 海上では中心気圧897hPa記録も
今朝(8日)6時頃、台風1号が、台湾南部に上陸しました。今日午後にかけて、台湾を横断する見込みです。
これまでの観測値と被害
(台湾南東の台東県の様子)
台風1号は、昨夜(7日)から、台湾で猛烈な雨と風をもたらしています。
東部の花蓮県で10時間のうちに500mmの降水、南東部の離島の蘭嶼島では、最大瞬間風速71.3mが観測されました。
また、台風が接近する前の7日(木曜)、東部に位置する花蓮県で、男性1人が海に落ち、死亡したということです。
懸念される被害の拡大
台湾は、世界的に見てもとりわけ山々が密集した地域であり、また人口密度が非常に高いので、世界で最も災害が発生しやすい場所の一つです。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)によると、予想される総雨量は800ミリ以上に及ぶ模様で、今後さらに被害が拡大する恐れがあります。
記録づくめのモンスター台風1号
台風1号は、これまで様々な記録を作り出しています。
1号は、約200日間という、観測史上最長の台風の空白期間を置いて、7月3日に誕生しました。
その後、暖かな海水温の影響などにより、急激な発達をとげ、6日朝には中心気圧が900hPaまで下がり、観測史上最強の台風1号となったのです。
ところで、900hPaという中心気圧は、雲画像から台風の強度を推定する「ドボラック法」という手法で計算された値です。つまり、実際に台風の中を計測しているわけではないのです。
ドボラック法で推定された値は、実際よりも気圧が高く、つまり勢力がやや弱めに出ることがあります。
実は、今回の場合もそうで、国立台湾大学によると、7日(木曜)夜に海上のブイで観測された実際の値は、897hPaだったようです。
900hPaを切っていたというのですから、改めて、台風1号の強さに驚かされます。