HSPは注意!「笑顔うつ病」と「正常な落ち込み」の違いと認知をシフトさせる方法について解説
こんにちは、精神科医しょうです。
正式病名ではありませんが、笑顔を作れることができて他者とは笑顔で接することできても、本当はうつ症状を抱えクタクタに生活している。こんな状態を笑顔うつ病と呼びます。
「気持ちが落ち込んで、何をしていても気が晴れない」「何もやる気がしない」
笑顔うつ病になると、このような精神症状が表れることがあります。
しかし、笑顔うつ病は通常のうつ病とは違い、日常生活においてあまり支障を感じることなく送れたり、表情豊かに過ごしたりすることが出来てしまうため、自分が病を患っていると気づかない内に、病状が進行してしまうといった危険性があります。
特に何事も無理をしてしまいがちなHSP気質を持つ方に関しては、笑顔うつ病に罹患するリスクは高く、もっと自分の感情に敏感になる必要があると言えます。
今回は笑顔うつ病についての見分け方と自分の感情を言葉で表す方法、認知について考えてみたいと思います。
「正常な落ち込み」と「笑顔うつ病」の見分け方
自分が罹患しているかどうか分かりにくい笑顔うつ病ですが、正常の落ち込みとの違いを識別出来てれば、早期に自身で気づくことができるかと思います。
それぞれの違いについて見てみましょう。
・正常の落ち込み
きっかけとなる出来事が分かりやすく、気持ちの落ち込みが持続することは1日~2日程度で長くありません。
日常生活への支障は少なく、それなりに過ごすことが出来ます。
趣味や好きなことを気分転換として楽しめるので、気持ちの切り替えが可能です。
絶望的な気持ちになることもまれだと言えるでしょう。
・笑顔うつ病
きっかけとなる出来事が分かる場合もあれば、分からない場合もあります。
気持ちの落ち込みが2週間以上連続して続き、常に不安感情を抱いています。
日常生活はそれなりに送ることが出来るようですが、些細なミスが目立ったり、日を追うごとに家事が手につかなくなったり、職場や学校を休むことが多くなるかもしれません。
絶望的な気持ちになることがあり、死を繰り返し意識するようになります。
自分の気分に気づき、言葉で表してみましょう
「最近、なんだかつらいな…」と感じる時、そのつらさにはさまざまな種類があります。
気分の種類と程度を理解し、修正するには、まず自分の気分に気づくことが大切です。
つらく感じた時に、そのつらさが落ち込みなのか、不安や苛立ちなのか、自分の感情を言葉で表してみましょう。
気分を表す代表的なリストを参考程度に以下に記してみました。
気分を表す言葉が上手く見つからない時に活用してください。
・憂うつ ・怒り ・心配 ・無我夢中 ・不満 ・うんざり ・不安 ・いらだち ・罪悪感 ・恥 ・神経質 ・興奮 ・失望 ・絶望 ・傷ついた ・悲しい ・困惑 ・おびえ ・パニック ・激怒 ・屈辱感 ・こわい など
気分を表すときに選ぶ言葉は、一つだけとは限りません。
むしろ複数の気分を一度に感じていることも多いので、当てはまる言葉がいくつもある場合もあるかと思います。
リストを見ても自分の気分がよく分からない時は、体の状態をヒントに考えてみるのも良いでしょう。
体が緊張している、肩に力が入っている時は、不安や緊張、あるいは怒りを感じているサインです。
また、全身がいつもより重く感じ、動くのが億劫な時は、憂うつや失望の表れかもしれません。
心と体の状態は常につながっているので、体の状態に目を向けることは、つらい気分を変える上でも役立ちます。
非適応的認知から適応的認知へシフトさせるには?
認知のパターンは人それぞれですが、適応的なものと非適応的なものに大別することができます。
適応的な認知とは、物事を事実に即して判断する認知の仕方です。
一方、非適応認知とは、事実を歪曲したり根拠のない憶測をもとに、物事を判断したりするような認知の仕方です。
適応的な認知と非適応的な認知の見分け方は「そう考える客観的な根拠や証拠があるか」という点です。
たとえば、仕事でミスをしてしまった状況を例にして考えてみましょう。
・非適応的認知
「またミスをしてしまった。何をやっても上手くできない。」などと、極端な結論に至り、つらい感情を引き起こしていることがうかがえます。
「何をやってもうまくできない。」と決めつけるのは簡単ですが、大切なのは客観性です。
現実的に考えて、すべての場面で必ず失敗するというのはむしろ難しいことではないでしょうか?
今までの人生の中で、上手くいったことが一つもない人はいないかと思います。
このように現実をゆがめて見るような非適応的な認知を、実は多くの人が持っているのです。
・適応的認知
「時々失敗もあるが、上手く出来ていることもある。」という適応的な認知が頭の中にあると、つらい感情に振り回されることが少なくなり、過度に落ち込むことも少なくなるかと思います。
ミスをしたことと上手く出来たことの両方を客観的に捉えているので、今後の冷静な判断力にもつながると言えるでしょう。
まとめ
気分が沈んでいる時は、あらゆる出来事が落ち込みや不安の原因になります。
気分の落ち込みを感じたら、すぐに気分を切り替える方法を試すようにしてみましょう。
それでも、憂うつな気分が2週間以上続く場合は、必ず医療機関を受診するようにしてくださいね。
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