なぜHSPは「人間関係リセット症候群」におちりやすい?回避するための方法を解説
こんにちは、精神科医しょうです。
「自分は人付き合いが苦手だと思う」「できれば人と関わりたくない」「いつも人に気を使って生きている」など、対人関係で思い悩む人は多いのではないでしょうか。
特に人の言動に敏感なHSPさんの場合は、場の雰囲気や相手の感情に振り回されてしまうこともあるため、対人関係を築くことに苦しさを感じてしまうこともあります。
せっかく築き上げた関係なのに「報われない」「大切に思われていない」「相手に伝わらない」などと感じた時は、誰でも悲しくなったりやるせない気持ちになったりしてしまいますよね。
そんな時、あなたならどうしますか?
あまりにもひどい扱いをされているならともかく、一時期の感情だけでバッサリとご縁を切ってしまうことは、後々のことを考えるとあまり良い対応とは言えないでしょう。
今回は、HSPがおちいりやすい!?人間関係リセット症候群について取り上げてみたいと思います。
HSPはなぜ人間関係リセット症候群におちいりやすいのか?
HSP気質の主な特徴の中に下記のようなものがあります。
・共感力が高い
・自分と他人の心の境界線が薄い
・他人を優先してしまう
・他人の気分に左右される
・人から嫌われないよう気を使う
HSPさんは他人を第一優先として行動することが多いため、一日の内で気を使ったり神経をすり減らしたりする時間が長いと言えるでしょう。
誰に対しても良い顔をして対応するため、八方美人が多いとも言えます。
一見すると、周囲からは対人関係が得意で苦にならない人と映ることもあるため、人間関係構築が主となる業務を任されたり、忘年会や新年会などの大きな行事を頼まれたり、他部署間をまたいでの大きなプロジェクトを任されたりなど…、実は本人にとっては苦痛を感じてしまうこともあるようです。
HSPさんは生真面目で誠実な方が多いため、プレッシャーを感じながらも、精一杯勤め上げようと努力しますが、苦しかったりつらかったり、不安を感じた時に他人に助けを求めようとしないことも多く、一人で抱え込んでしまうことがあります。
一人で抱え込んだ結果、「誰も助けてくれない」「私一人だけが頑張っている」とネガティブな感情が湧いてきます。
そして、怒りが頂点に達した時に「この仕事をやっていて何の意味があるのだろうか?」
「もうどうでもいい!」「もう知ったことではない!」と開き直ってしまうのではないでしょうか。
真面目な人ほど、このような感情に到達してしまうことがあります。
HSP気質を感じている方の中には「助けてください」「わかりません」「教えてください」と相手に伝えることが苦手な方が多いです。
「聞くことが恥ずかしい」「無能だと思われることが怖い」「忙しい時に聞くと申し訳ない」など理由は色々あるかと思いますが、勇気を出して周囲に助けを求めてみましょう。
もしかしたら、人間関係をつらいものにしているのは「自分だ」と気付くことがあるかもしれません。
人間関係リセット症候群を回避するための方法とは?
他人から嫌なことをされたり、言われたりする度に関係を切ってしまっていると、気が付けば友人や恋人がいない、仕事も長続きしないなどで、強い孤独を感じてしまうことになるかもしれません。
人間関係リセット症候群はどちらかと言うとデメリットになることの方が多いため、自身が当てはまるかも?と感じている場合は今からお伝えする回避方法を試してみることをオススメします。
・時間を置く
つい感情的になって、相手の連絡先を消去したり、ブロックしたりしてしまうことがあるかと思います。
そんな衝動に駆られた時は、いったん携帯やパソコンの電源を落とし、冷静になる時間を持つようにしましょう。
・相手と話し合う
「どうせ理解してもらえない」「わかってもらえない」などと決めつけてしまい、きちんと話し合いができていないということもあり得ます。
お互いに誤解をしたまま、ご縁が切れてしまっては後々、後悔につながることもあるかと思います。
特に昔からの旧友や仕事仲間など、良いことも悪いことも共有できた間柄であれば尚更です。
・感情を整理する
「自分は何に対してそこまで怒りを感じているのか?」「そもそも根本的な原因は何なのか?」など、感情を整理すると怒りの対象は別にあったりします。
怒りの矛先が間違っている可能性もありますので、バッサリと関係を発つ前に気持ちの整理をしてみましょう。
人間関係リセット症候群を回避する方法をいくつか紹介しましたが、いじめにあっているDVを受けている、ハラスメント被害にあっているなど、生命を脅かされるような人間関係であれば、迷わず断つことが先決です。
まとめ
今回は人間関係リセット症候群とHSPの関係性について考えてみました。
HSPは人間関係だけに限らず、さまざまなことに対して自己犠牲をしていることも多いため、怒りや悲しみを感じた時は都度、気持ちの整理をすることも大切です。
日頃から積み重なったネガティブな感情がたまたま、腹が立った相手に対して向けられている可能性も十分考えられますので、根本的な原因が何なのか?を突き止めることで、人間関係をバッサリ切るようなことは少なくなるかもしれません。
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