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今ではドラマや映画ロケの聖地!昭和の気配漂う老舗キャバレーが激的に渋い訳とは?【神戸市・月世界】

Hinata J.Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

最近は昭和ブームで盛り上がっていますが、その中でも圧倒的に時代の気配をまとった場所があります。東門街にある老舗キャバレー「月世界」です。

私はこのお店の前を通るたびに気になっていたのですが、実は以前に一度、「月世界」の中に入ったことがあります。

と言っても、キャバレーとしての「月世界」に行ったのではありません。「アラビアンナイト」という、ベリーダンスと音楽の生演奏が見られるイベントに参加したのです。

この時のことを今でも鮮明に覚えています。とにかく中に入った時のインパクトが凄かった。ただならぬ気配というか、禁断の世界に迷い込んだ感が半端なかったんです。

ゴージャスなシャンデリア、雰囲気あるライティング、妖艶なダンスと異世界感たっぷりの音楽…ソファーに座って薄暗い中に照らされたグラスのお酒を飲みながら、めくるめく時間を体験。

お店の前に貼られていた、フォトコンテストのポスター
お店の前に貼られていた、フォトコンテストのポスター

そんな思い出もあり、また行きたいなと思っていたら、ある日通りがかった際に「クラブ月世界フォトコンテスト」のポスターを発見。ですが、気づいた頃には時すでに遅しで期限が過ぎていました。

ホームページを覗くと他にも面白そうなイベントが。「蛇腹楽器アーティスト総出演のクリスマス・イヴ!」何かと思えば、どうやらアコーディオンのことらしいですね。

アコーディオン生誕200周年となる今年。その記念すべき時に向けて、10年程前からイベントを毎年行っていたという月世界なのですが、今年が最後でついにその時を迎えるそうです。

アコーディオン奏者が勢揃いする中には、あの有名なCOBAさんも。「これは行かねば!」と、今から行く気満々な私なのですが、その前に何と「月世界」のお話を伺えることに。

「月世界」がオープンしてから52年。当初は今みたいに、夜の街に若者がいることはなくて完全に大人の世界だったと、オーナーの高本さんは語ります。

「昭和40年代、ここには山ほどキャバレーがあった。戦後40年で、日本も発展していった頃…いろんな文化が生まれて、そこにナイトレジャーも。今とは時代背景や文化の背景が全く違うから、まずはそこを理解して欲しい」

女性が横に座って飲むという文化は、アジア独特のスタイルとして残っていて、キャバレーは言わばその大型な店舗といったものなのだそう。

時代が変わって、現在。今ではそのキャバレーが大きく変化を遂げています。ドラマや映画のロケ地として使われたり、音楽ライブやイベントが行われたり…昔からすると、考えもしなかった展開なのだとか。

映画では2009年、ジャッキー・チェンの「新宿インシデント」。連ドラでは「べっぴんさん」、最近のドラマでは小泉孝太郎さんの出ていたものなど。神戸フィルムオフィスの映画ロケ地マップにも掲載されています。

「来年に上映予定の映画の撮影が、最近もあったんです。バンドの演奏シーンを撮るのに撮影場所をあちこち探していた監督が、月世界に来て中に入った瞬間にココだ!と即決したんですよ」と高本さん。

「ここには本当に、人の汗と、酒の匂いが渦めいている」と、そんな気配を感じたと監督は言ったのだそう。

「キャバレーという空間の形だけではなく、そこで飲んでいた、存在していた人々を感じ取って欲しいから、映画やドラマでその世界観を表現してもらったりすると嬉しい。音楽ライブもそうで、リアルに生で動いているハコの中身と一緒にここを見てもらいたい」と高本さんは語ります。

「バーレスクのショーもやったよ。東京からきたメンバー達で、かなり大掛かりなショーだった。ここだからこそ生きる表現があると思っている。ここでやることで凄い世界が現れるという面白さを是非、肌で感じ取ってもらいたい」

今では音楽ライブ、イベント、パーティーや結婚式の二次会などで使われているという「月世界」。私も実際にここでライブを見たことがあるので、その面白味がとてもよく分かりました。次のイベントが今からもう楽しみです。

LiveHallクラブ月世界

LiveHallクラブ月世界ホームページ
Tel:078-331-6540
場所:兵庫県神戸市中央区下山手通1丁目3−8

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旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

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