東京で異例の月500ミリ 11月も雨が多い予想
10月の東京は月雨量が500ミリを超え、記録的な大雨となっている。原因は相次ぐ台風と暖かい空気だ。雨が多くなりやすい気圧配置は11月も続く可能性が高い。
なぜ、10月は記録的な大雨に?
夏のような暑さはないけれど、まるで夏のような雨の降り方です。10月の東京は二度にわたり大雨に見舞われ、とうとう10月の雨量は500ミリを超えました。一年間に降る雨量は約1,500ミリですから、一か月で3分の1が降ったことになります。
なぜ、こんなにも雨ばかり降るのでしょう?
こちらは10月20日頃の上空の天気図です。等高度線は西から東に流れる風を、暖色は気温が高いことを示しています。
日本の南東海上で高気圧が強く、暖かい空気が日本列島に流れ込んでいる様子がわかります。もちろん、直接的には台風が相次いだことですが、突出して雨が多くなった背景にはいつも以上に暖かい空気が流れ込み、雨雲が発達しやすい状況であったことがあります。
異例の月雨量500ミリ
それにしても、10月の東京は雨が多かった。12日は台風19号で日雨量209.5ミリ、25日は低気圧と台風21号で日雨量120.5ミリです。太平洋側に位置する東京は冬に少なく、夏から秋に多くなる季節変化があり、一番少ない月で50ミリくらい(1月や12月)、一番多い月で200ミリくらい(9月)です。
今月のように一か月で500ミリも雨が降ることは非常に珍しい。この140年あまりで、月雨量が500ミリを超えた事例は10例しかありません。詳しくみると、6月と7月そして、9月と10月という明瞭な特徴があり、そのなかでも10月が一番多いとは予想外でした。
11月も雨が多い予想
今後、天気はどうなるでしょう?
25日に発表された定例の3か月予報によると、11月は全国的に気温が高く、九州から関東地方にかけての各地で、雨量がやや多くなる予想です。例年、11月は日本海側で雨や雪が多くなる一方で、太平洋側は乾燥した晴れが目立つようになります。
しかし、今年は上空を流れる風が北に偏り、大陸から寒気がやってこない。暖かい空気が優勢となる可能性が高いです。
これでは太平洋側を進む低気圧の影響で、例年よりも雨が多くなりやすいでしょう。今年は夏になったと思ったら暑すぎて、雨が多くなったと思ったら降りすぎて。普段の天気に戻ってほしいです。
【参考資料】
気象庁:向こう3か月の天候の見通し(11月~1月)、2019年10月25日