【10月8日は寒露】なぜ露は降りる?今年は「秋」も「冬」も突然やって来る!?:気象予報士の暦解説
10月8日は二十四節気のひとつ「寒露(かんろ)」。古くからの暦で、葉に降りる露が冷たく感じる頃とされています。
まだまだ露が降りるような冷え込みはないのでは?と思いきや、明日9日の朝は広い範囲で露が降りそうな見込み。
ついこの前まで夏みたいに暑かったはずが、どうして突然…?と思われそうですが、実はもともと「秋」は突然やって来るもの。しかも今年2024年に関しては、「冬」も突然やって来るかもしれません。
気象予報士とめぐる暦解説です。
露が冷たくなる「寒露」…露はどうやって降りる?
露(つゆ)は、朝晩の冷え込みによって冷たくなった植物の葉などに空気中の水蒸気が触れて水になることで生じます。
1年を24に分けた伝統的な暦「二十四節気(にじゅうしせっき)」では、9月上旬に「露が降りる頃」である「白露(はくろ)」、そして10月上旬に「寒露(かんろ)」がやって来ます。
実際に露が降りるかどうかは、気温だけでなく湿度にかなり左右されるため、「気温が〇度以下なら露が降りる」といった基準はないのですが、空気が湿っていれば20度くらいでも露が降ります。
「秋」はもともと突然やって来る
夏から秋にかけて、徐々に気温が下がることはあまりありません。たいていは、ある日突然ガクンと気温が下がります。
というのも、この時期は低気圧が通過するとともに南風と北風が入れ替わるため。低気圧でなくとも、秋雨前線上にできたキンク(前線が「へ」の字のように折れ曲がり、雨が強まる場所)が通過すると、一気に北風や北西風が流れ込んで、冷たい空気に入れ替わるのです。
雨が降るたびに気温が下がるため「一雨一度(ひとあめいちど)」と言われることもありますが、この現象を何度も繰り返すことによって、秋本番そして冬へと向かっていくのです。
今年は「冬」も突然やって来る!?
今年2024年はこれまでのところ、記録的に暑い夏に続き、平年を上回る暖かさの秋になっていますが、冬も平年より暖かいわけではなさそうです。
最新の1か月予報によると、11月にかけてほぼ全国的に平年並みか高い気温が予想されていますが、12月には平年並みか低い見込み。
通常より暖かい11月から通常より寒い12月へ。今年は秋だけでなく「冬」も突然やって来るかもしれません。
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