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ワールドカップ影MVP→代表引退。それでもトンプソン ルークが好調な理由。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
人生最後のラグビーワールドカップで。(写真:ロイター/アフロ)

昨秋のワールドカップイングランド大会を最後に日本代表としての活動から退くこととなったトンプソン ルークは、いま、日本最高峰のトップリーグで好調を維持している。

タックルしてはすぐに起き上がり、また次の現場へ出向く。35歳となった今季も、身長196センチ、体重108キロの身体で遮二無二、動き回る。その背景には、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ率いる日本代表時代の授かりものがあるようだ。

10月1日、東京・秩父宮ラグビー場。近鉄の一員としてクボタとの第5節を29-20で制した。帰り際に応じた単独取材で、自らの体調維持の背景を語った。ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ率いる日本代表への思いも明かした。「どんなチームになって欲しいか」との質問には、他者の職域を尊重する言葉を返す。

ワールドカップには3度、出場。最後となったイングランド大会では、献身的な防御と空中戦でのリーダーシップで光った。専門誌の『ラグビーマガジン』では、読者が選ぶ日本代表のMVPとされた。

2004年に来日し、2006年に加入した近鉄では、創部初の海外出身のキャプテンを経験した。日本国籍は2010年に取得し、流ちょうに関西弁を話す。

以下、一問一答(編集箇所あり)。

――調子、よさそうに映るのですが。

「悪くないね。近鉄からいい休みをもらえて、リフレッシュできました。エディーさんと、ジョン・プライヤーさん(昨季まで日本代表のS&Cコーディネーターを務めた)からは、キーポイントを授かりました。(受け取ったトレーニングメニューを)自分で少し、やっています」

――そして、たくさんタックルをしている、と。

「(笑いながら)それ、私の仕事ね」

――きょう、近鉄は2勝目を挙げました。後半の立ち上がりに勝ち越しを許しましたが、再度、逆転。

「ハーフタイムの後、私たちのメンタルが切り替わってなかった。その後の10分は、少し残念。次の試合は、80分、全部、集中する。近鉄は時々、素晴らしい。時々、残念。ポテンシャルはあるのだから、もっとコンスタントにプレーできるようになりたいです」

――ワールドカップイングランド大会から1年、経ちました。ジョセフ新ヘッドコーチ率いる日本代表は11月、アルゼンチン代表、ウェールズ代表など強豪とぶつかります。どんなチームになって欲しいですか。

「それはジェイミーへの質問ね。でも、ジェイミーはいいコーチだから、楽しみね。次の11月は、新しいステージへ新しいコーチと。楽しみで、キツい時間。いい試合で、いい経験ができる」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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